セシウス さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
自衛隊の装備自慢アニメ。異世界人の命など塵芥の如し
原作は元自衛官が書いた小説だそうですが、未読です。2期24話見ての感想です。
ファンタジー世界と現実の銀座をつなぐ門が出現して、異世界人が大軍で剣と弓矢を持って襲撃してきたため自衛隊が撃退、門を占拠して異世界人と交渉しながら異世界の開拓を図る、というお話です。
自衛隊の描写は細かくてリアルです。また日本政府や諸外国に関する描写もちゃんとしていて「自分たちで勝手に想像して」ではないところに好感が持てます。
物語の構成が上手く、続きがとても気になります。各キャラクターの描写も良かったと思います。主人公の中堅自衛官は実はオタク趣味で、同好の士である後輩とファンタジー世界に関する豊富な知識を披露して、部下の女性自衛官に眉をひそめられるあたりはお約束ですが好きです(笑
とここまで賞賛しましたが、この作品が絶賛されていない理由と思われるポイントをいくつか。
話にいくつか粗があります。フィクションですから細かい話は別に気にしなくて良いのですがかなり根本的なポイントに粗を感じました。
まず最大のキーである「ゲート」についての違和感です。{netabare}第1話でゲートが出現したと同時に異世界軍が侵攻してきたので、ゲートは異世界人が作ったものだと思ったのですが、後に自然発生・自然消滅するものであることが示唆されます。自然発生する門の前に大量の武装した兵士を準備していると考えると無理があります。{/netabare}
次に異世界人の戦い方です。{netabare}基本的に剣と弓でしか戦いません。従って重火器で武装した自衛隊に一方的に殺戮されます。魔法使えば良いのに…ヘリなんて風魔法一撃で落とせるでしょ…{/netabare}
あと戦争とはいえ何の罪悪感もなく異世界人を殺しすぎです。確かに魔法など未知の力を持つ相手ですから殺らなきゃ殺られるで仕方ないとは思いますが、自衛官たちはメンタルを病むわけでもなくキャンプ地で楽しそうなのがちょっと背筋が寒くなりました。
作画は良好だと思いますが右肩下がりの印象です。序盤は本当に綺麗に感じますが、2クール目あたりから微妙に感じるシーンが増えてきます。
音楽は良いです。OP・EDともあまりスキップしませんでした。
シン・ゴジラと同じようなノリで楽しめる作品です。ただシン・ゴジラほどのメッセージ性は感じません。すごく面白かったけど2回は見ない、という感じの作品でした。