ハニワピンコ さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
肉体を捨ててちょっと自由に生きていけるだけのパラダイス
よくある"ぼくたちのつくったすばらしき新世界"はいつみても面白い
それにロボットやケツ、AIとの関わりなんかも上手く盛り込んでいて完成度の高いエンタメ作品
ただまぁ所謂ディストピアSF作品って、恐ろしい未来やAIへの不安を逆説的に表現することで、視聴者への投げかけが出来ると思っているので、今作は結構そこらへんの思想の描写が結構一辺倒で直球だったかなと思った
アンジェラは中盤にディーヴァ保安局の上官の神々の代弁者の如く選民思想を語ってディンゴとバトっていい感じだったのに、その後、楽園の上層部たちの"未知は脅威"の凝り固まった思考で、議論をする余地もなく排除を命令されちゃあアンジェラちゃんもそりゃ身を移り変えちゃうよなぁ
そうして視聴者もフロンティアセッターの考えに自ずと乗せられ、結局どっちが本当の自由なのかという事を見終わった後に考えることはあまり出来ない
AIの方が断然理性的という皮肉
フルCGアニメだったが、キャラの動きはもちろん、表情もかなり細かく、特にラストの市街戦ではフルCGだったからこその臨場感と迫力のある戦闘だった。カメラワークサイコー
あともう1つ、声優。特にフロンティアセッターの表情が読み取れないからこその声が重要だったが、優しく喋りかけて機械っぽくない演技が凄かった。常時良いAI感が出ていた
YouTubeで期間限定の無料公開の初日から一応チェックはしていて、虚淵脚本の水島監督でかなり期待してはいたが、中々見る気になれずにラスト滑り込みで見たが、初っ端の世界観説明からフルCGでのロボットアクションで一気に惹き込まれ、最後まで一気に見ることができた
ディストピアSF作品によくあるテーマを分かりやすく最初に説明して入り込みやすくはなっていたが、AI関連やユートピア思想が今ひとつ描ききれていなかったなと思う惜しい作品