セシウス さんの感想・評価
3.3
物語 : 4.5
作画 : 2.5
声優 : 2.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
余韻を残す名作だが主人公の名前のせいで大ダメージ
現代(といっても多分昭和)の明朗単純な剣道少年が、ヒロインと出会ったことにより、50億年後の世界に拉致されてしまうお話です。ジャンルは異世界アドベンチャーですが、反戦メッセージが強くこめられた作品ですね。
巨大ロボが出てきてSFっぽいですが、設定はファンタジーそのものです。 {netabare}メインヒロインが少女の姿をした超常現象であったり、50億年ものタイムトラベルができるのに銃とナイフを使った暗殺者に苦労していたり、50億年後の人間と言葉が通じ妊娠もできたり等々{/netabare}
ただ滅亡直前の地球であっても相変わらずあちこちで戦争をやっていて、その犠牲になるのが女性と子供たち、という構図は今と変わっておらず、色々なシーンで嫌というほどリアルに視聴者に訴えかけてきます。
そんな中主人公は「人を殺さないために戦う」という信念を負けずに貫きます。もちろん戦争中なので様々な矛盾に直面するのですが、とうとう最後まで曲げなかったので、人間の持つある種の強さを表現できていて良かったと思いました。
この作品に登場するキャラクターは物語が進行しても主人公を始めほとんど変化がありません。感情移入できる主人公、可愛いヒロイン、魅力的な悪役、といった要素があまりないのでキャラ重視の人には向かない作品かもしれません。声優もやたら滑舌の悪い人がいたりしてレベル低かったです。
作画は古めかしいです。やたら巨大な太陽と月(月は離れていくはずでは?)が特徴的に描かれています。夕陽のシーンなどは印象的です。
音楽は重苦しい物語の雰囲気にあっていて良かったです。ただOPは昔のゲームソフトのようなチープな作りでした。
古い作品でありながら、視聴後に大きな余韻を残す良作だと思います。1クールなのでまとまった時間がある時に一気に見ることができます。大人におすすめの作品です。