nyaro さんの感想・評価
3.6
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ブラックロックシューターは何を象徴しているのでしょうか?
少女たちの悩みを引き受けるどこか別の世界のもう1人の自分が、ブラックロックシューターに敗れると痛みから解放される。ただし交友関係というか記憶そのものが欠落するような感じでしょうか。救済であると同時に人間関係の喪失のようなイメージなんでしょうか。
少女たちの悩みが痛すぎて、少々正視に堪えないようなところもありますが、思春期の葛藤を描こうとした意図はなかなか面白かったと思います。ストーリーは暗いですが、まあ悪くないでしょう。
ですが、悩みの解決や執着からの解放を様式化しすぎて、そんな単純ではない感があります。もちろん象徴的な意味において別の世界の戦いが現実の苦しみの解決に結びつくのは話としては有りだと思います。ですが、戦いそのものはなんだかわからない肉弾戦と武器の応酬です。
悩みの解決が戦いの意味内容にまったく結びついていないため、結局現状や自分を受け入れるしかないという元の木阿弥に見えてしまいます。それが耐えられないから辛いのであって、精神論になってしまっていました。虐待やいじめ、友人が離れて行くことをどうやって乗り越えるのでしょうか。
ですから、肝心のブラックロックシューターがまったく象徴的な意味を持たなくなっているように感じました。
また、作品の成り立ちについての不満ですが、ボカロの名曲をストーリー化アニメ化するのに、どうしてこういう話になった?という印象しかありません。確かに歌詞を単語を拾って行けばこういう話にもなるのでしょうが…ブラックロックシューターの挫折からの復活が歌詞の内容だったのに、意味合いが全然変わってしまっている気がしました。
どうせなら、全然違う話として本作は作られるべき内容だった気がします。また、ちょっと曲のアレンジが原曲と違ってました?