テナ さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 2.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
仮想世界
見に行く予定ではなかったのですが、職場の人から映像が凄く良いから、映像だけでも見に行く意味あると言われ見に行きました。
確かに、映像や色は拘りがあり綺麗だし凄く良かったと思います。
物語として良かったと思ったのが作中にキャラの心情のヒントがあったのが少し印章的かな?
演奏しているルカ達の横でカヌー部の勧誘にきたカミシンが凄く目立って、皆からウザがられて、演奏してるルカが背中を向けるシーンがあって、私は「あぁ〜演奏中に絡まれたら嫌だから目を背けたんだ」って思ったけど、後から駅のやりとりで、なるほど〜ってなりました(◍´꒳`)bᴼᴷ
駅のあのシーンはカミシンの1人コントぽくて面白かったです。
さて、物語としては仮想世界の竜とお姫様のお話って感じでしょうか。
少し少女漫画に近い物がある気がしました。
ただ、これは恋愛?と言うかなんと何と言うか……
ベルは竜の本物をみてくれた。
竜は悪い奴だと周りから思われ、正義づらした自称警備団?みたいなのにも攻撃されたりするけど、ベルは本当は心が傷付いた竜である事に気が付いてくれる。
噂の悪い竜ではなく、心に傷を持つ竜だと。
その辺から、竜はベルに心を許していった気がします。
そんな時、竜の城が襲撃されます。
この警備団は、正義を振りかざして自分達がUの世界を守っていると思い込んで居て、悪だからと竜を潰そうとするけど、私には正義には見えなかったなぁ〜
ただの自分達の勝手な物差しで勝手に正義って言葉武器にして盾にして自己満足に浸ってる人って感じがしました。
かなりのスポンサーがついていたから間違えなく実績もあるんだろうし悪人達ではないんだろうけどさ、それでも正義を執行する中で、いつの日からか道を踏み外してしまった人達に映りました。
そんな中、鈴達は、竜を助けるために、竜の正体を探さなければなりません。
私が思ったのは、やっぱり時代の流れは怖いですね。
夕方のアラームと部屋から見える2つのビルってヒントだけで、あの場所を特定するとか本当に凄いけど同時に怖いなぁ〜ってw
さて、竜の正体が判明するのですが、竜は父から虐待されていたのです。
人の親とは思えない言動。
子供は親の私物ではありません。
子供の自由を奪って言葉と力で押さえつけて、消えろと言う。
本当に酷い大人だと思います。
その映像を偶然見てしまった鈴は自分がベルだと明かしますが、信用して貰えません。
当然ですが、ベルはアバターで鈴は生身で証明する事が出来ません。
ベルは有名人だし成り済ましの可能性すらあります。
鈴は必至に助けたいって言うけど竜は「助けるってどうやって?」と言います。
彼は助けたいなんて沢山の人から聞いてきたけど実際に助けられる事は無かったそうです。
実は私も子供の頃に凄く大人って嫌いでした。
大人は子供だからと見下して約束も平気でなかった事にしたり、口だけで何かを相談しても結局解決していない解決が変な方向に向いてしまったなんて沢山ありました。
凄く理不尽だと思った事もありました。
大人は子供に色々言うけど、大人の方が出来てないじゃんって思う事もありました。
だから、絶対に大人になったら子供に寄り添える大人になりたいって思ったのを覚えてますw
勿論、全ての大人がそんな人ではないのですけどね(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)
だから、竜の気持ちって凄く解ったんだけど、彼の鈴達への八つ当たりには私は( ˘•ω•˘ )ムカッってなりました。
助けたいと言っても誰も助けられなかったと言います。
私は人を助ける人って凄いって思います。
でも、私は助けられる人の方が更に凄いって思います!
人は助けるなんて言うけど、人が手を差し伸べるなんていくらでも出来ちゃうんです。
困っている人を助けたいって思ってくれる人は世の中には案外沢山います。
でも、1つ絶対に必要な事があります。
それが無ければ絶対に助かる事はありません。
それは「助かりたいと言う気持ち」です!
助けようとしてくれる人が、全て知らない間に全てを解決してくれるなんて事はありません。
例えば、いくら助けようとしてくれても、本人に現状を打破する勇気が無ければ手を差し伸べても現状を変えられず助けられないのです。
竜がすべき事は何だったのか、大人達に解決していない事をハッキリ伝える事
勇気を持って、もっとSOSを叫ぶ事
助け舟がある間に父に自分の気持ちをぶつける事
これは本当に勇気が必要な事です。
怖いです!泣きたいです!逃げたいです!
でも、助けられる側も勇気を出さないと、誰がいくら手を差し伸べてくれても救えません!
助けたい人が、何も解決していない事を話してくれないと解決したと思われます。
SOSを出さないと気がつくまでに時間が掛かり助けが遅れちゃいます。
1番、心に響くのは当人の声なのです。
だから、助けられる側は勇気が必要だし凄いなぁ〜って思うのです。
ですが、竜は耐えることしかしていません。
自分が耐えたら良い、といいますが、耐えて解決する事なんて殆どの場合はないです。
最悪の場合は心がズタズタになります。
助けようとしてくれた人達を見て彼は、心のどこかで諦めていたのではありませんか?
どうせ無理だと……1番に諦めていたのではないでしょうか?
そんな人をどうやって救えばいいのでしょうか?
竜の言い分も凄く解るけど、私には誰にも救えないと諦めて殻に閉じこもり、助けようとしてくれる人に敵意を剥き出しにしてしまう駄々っ子にみえてしまいました。
でも、最後に駆けつけてくれた鈴を見て彼は立ち向かう勇気を貰えました。
きっとこれからも大変だと思いますが、きっと勇気を持てた彼なら大丈夫だと思います。
さて、鈴ですね。
彼女はリアルでは母を亡くしたトラウマから歌をうたえなくなっています。
仮想世界のベルなら素敵な歌を奏でるのに……
ですが、竜にベルと鈴が同一人物である事を知って貰うには自分の正体を証すしかなくて……
ベルとして人気の彼女……
でも、中身は田舎の地味な普通の女の子。
ベルとしてイメージが高い分、ファンは顔を出したら離れていくかもしれない……悪口を沢山言われるかもしれない……彼女の必至に作り上げたベルのイメージを自分で壊してしまうかもしれない。
でも、竜に自分の正体を知ってもらうには、それしかなくて……
たった1人の為に正体を明かして積み上げた物を崩すか、たった1人を見捨てて積み上げた物を護るか。
彼女の決断はすごく良かったと思います。
カッコイイと思いました。
さて、物語としてはツッコミ要素あったり、?が浮かぶシーンもありましたが、人の心情を上手く描けていると思います。
映像も綺麗だし、気になる人は見てみてもいいかな?とは思える作品になっていたと思います。