nyaro さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
前半はかなり面白いです。キャラが好きならいいのではないでしょうか。
面白くないとはいいません。人気キャラであるアクセラレーターとラストオーダーの組み合わせをたっぷり見られるのもファンとしてはうれしいと思います。
そしてスカベンジャーが絡んできてエステルとか黄泉川がやられるだけやられた後に、アクセラレーターが無双するところが非常にスカッとするので、前半まではかなり面白かったと言えます。
全編通じて1つのストーリーなので冗長感があります。テーマも特に感じられず極めてパーソナルな過去の因縁話を、アクセラレーターが解決するというだけなので正直後半は面白くはないです。
なので、作品については語るべきことは余りありません。作画もまあスピンオフということで本編や超電磁砲と比べると少々雑ですし。
ただ1つだけ。アクセラレーターというキャラについては、1万人を殺してきたという事実が許されてしまうという不思議なキャラです。作中でもそうですが、通常、視聴者サイドからみても御坂シスターズという人気キャラを殺戮しているのに受け入れられています。
これは御坂シスターズがクローンとして同一の見た目、性格のものが多数存在しネットワークでリンクしているので、死を感じないせいだと考えられます。本来御坂シスターズは一人一人がパーソナルな経験によって、個性が発露する場面が描かれているので、やはりアクセラレータが殺した1万人について罪を背負っているわけです。
が、見ている側からすると1万人いようが2万人いようが区別がつきません。結果的にラストオーダーや主要キャラが許してしまっているので、無かったことにできるのでしょう。
アクセラレータは、死にかけて身体に制限を受けているというハンデを背負っています。これが贖罪に見えるのかもしれません。まあ戦争と同じと考えれば殺した数は関係ないともいえますし。
本シリーズの特徴で、ストーリーの倫理観はおかしいけどキャラは妙に道徳的である、いつの間にか仲良しになっているというのを体現したようなキャラでした。