ひろたん さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
これは本当に終末なんだ!と実感させてくれる
「週末」旅行ではない。「終末」旅行である。
つまり、少女たちが「週末」にきゃっきゃと旅行するようなゆるい話ではないのだろう。
場合によっては、惨劇もあるのだろう。
そう思って、観始めた。・・・はずだった。
が、なぜか、主人公の少女2人がすごくゆるい。
しかし、その主人公たちが旅するのは確かに終末。しかも、今までの作品では観たことないぐらいすごく終末感がある「終末」である。
なんだろう、この不気味さは・・・。
にもかかわらず、主人公たちはやっぱりゆるい。
この不気味なほどに静かに流れる時間の中を、主人公たちは、この状況に抗うことなく、むしろ前提として受け入れて淡々としている。この光景が、これは本当にすべてが終わってしまった後なんだ!、つまり、「終末」なんだと実感させてくれる。
そう、この期に及んでどんなに抗っても意味がないのだ。先がないのだから。それが「終末」なのだから。
この世界観だけで、この作品は、成功している。
しかし、この作品は、ただの雰囲気モノだけで終わらない。とてもはっとする示唆も与えてくれる。
特に1話目に登場する次の問いから始まる示唆には、正直、背筋がぞくっとし、はっとさせられた。
戦争・・・なんでそんなことするんだろうね?
正義とは?、偽善?、そもそも平和とはなに?
とても根源的な問題を突き付けてくる。
たぶん、ちゃんと答えは、出せない。
たぶん、答えがあるのなら今頃世界は平和だ。
それでも、考えなければいけない問題なのだと、この作品は投げかけてくる。
短い間だったが、自分は、この終末、2人の少女と旅をすることができてよかったと思った。