nyaro さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
本作の責任ではないですが…異世界転生ものについて少々。
実はしっかり最後まで視聴していたのに、さっきDアニメで見るまで、記憶にまったくありませんでした。で、1話目を見て「ああ、見た見た」という感じで思い出しました。
転生ものの飽和感というのは決して本作の責任ではないのですが、それにしてもテンプレの組み合わせでした。その中でも、老賢者2人に可愛がられて育ったというのと、仲間を教育して強くするところ、魔人の設定が工夫でした。これについてはなかなか面白かったです。
ただ、まあ「なろう」なのかその他なのか知りませんが、転生ものの再生産ですよね。
異世界転生ものは何といっても取材がいりません。舞台も設定もフォーマットが用意されています。亜人、神や悪魔、武器、魔法…設定だけでなく固有名詞すら用意されています。すべてドラクエおよびファイナルファンタジーの世界+αから一歩も外に出られていません。
確かに創作ではあるのでしょうが、過去作を参照して違いを出すことで再生産しています。すると異世界もののクリエータや消費者=読者と視聴者にとっては、作品同士の違いは明確で面白がれるのかもしれませんが、外から見るとどうしても同じものにしか見えません。
現世とのかかわり方、パーティーの人数、転生先(人間、スライム、ゴブリン、蜘蛛…)、スキルや魔法のチョイス、強さ…等々のパラメータを調整しているにすぎません。
また、付き合う女性の地位、人数、能力、エロさ、親密さもパラメータになっています。
で、ギルド、ランク、カード、商人、武器屋、奴隷屋、王様にお姫様…農業スローライフか建国か魔王退治かダンジョン攻略か…いや書いていて恐ろしくなってきました。
ですので、このパラメータと設定の説明はさらっとして、或いは一瞬で最強になって、いきなり物語が始まってしまいます。異世界転生もののヘビーユーザーならそれでいいのかもしれませんが…RPGですらレベル上げや武器やアイテムの収集くらいはします。
おそらくかなり近い将来AIでいくらでも作れるようになるような構造です。
これはどんなカテゴリーにも起こりえることですが、さすがに異世界転生に関しては同一性がありすぎの感があります。たとえば転スラ、蜘蛛、無職などもこの流れで見ているからつまらなくなっているのかもしれません。このすばやダンまちがまだ面白いのは、このパラメータ調整ではなくカテゴリーそのものがずれているせいだと思います。
つまり、異世界転生ものはカテゴリーとして爛熟を過ぎて衰退期に入った感はあります。
その意味でいえば、本作は非常に損をしている可能性もあります。異世界転生ものの初期に登場していれば、あるいはアニメ製作会社ガチャで勝っていれば、あるいはもう少し人気が出たかもしれません。
ですが、申し訳ないですが目新しさが皆無です。結構しっかりしたストーリーなので、冷静に一つ一つの異世界ものを並べて点数を付ければ上位には来るとは思いますが。