「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-(TVアニメ動画)」

総合得点
75.9
感想・評価
409
棚に入れた
1716
ランキング
758
★★★★☆ 3.7 (409)
物語
3.5
作画
3.8
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.7

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二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

魔術とミステリーとコア向けのクロスオーバー

Fate/Zeroのランサー陣営のマスター「ウェイバー・ベルベット」の成長した姿を主役にしたスピンオフ小説のアニメ化作品です。
"ロード・エルメロイII世"の存在自体は以前からファンブックで存在を示されていましたが、後にそれがウェイバー・ベルベットの成長した姿であることが明らかになります。
その情報を元に、構成・企画された作品で、時計塔のロードとなったウェイバーが、魔術絡みの厄介な依頼を分析し、解決に導くものとなっています。
なお、ロード・エルメロイII世 = ウェイバー・ベルベット ということはアニメでは前提知識として当然の如く登場しますが、ファンブック上でそれが明らかになった際は結構ネット上で盛り上がっていた記憶があります。
当日、長髪で生意気系の少年が、いかつい顔つきの長身の兄貴になったことで話題になりましたが、本作では才気あふれるまでも早々にロードの座に就いた経緯、師であるケイネス・エルメロイ・アーチボルトと同じ名前を持つに至った経緯から描かれるため、TYPE-MOON作品の裏設定を読むのが好きなコア層に訴えかけるような内容だと思います。

タイトルに"事件簿"とある通り、不可解な事件が発生し、それに対し調査・分析をして裏付けを得て、解決に導く、推理モノのようなフォーマットです。
ただし、扱う事件はいわゆるミステリー小説のような殺人事件の類などではなく、魔術のセオリーに沿わない儀式や魔術による解析結果が謎を生むような殺人事件です。
探るべき対象は、トリックではなく、その魔術の神秘であり、ミステリーっぽいところはあるのですが、そういう内容ではないです。
ホワイダニットを重視していて、その魔術の目的からすべてを解き明かす展開となっています。

内容は難解で、言っている内容すべてを理解できなかったというのが正直なところです。
『空の境界』のようにアニメ化する上で色々端折って説明不足なところが出てしまったのかもしれないと思います。
私的にはアニメの方は、TYPE-MOONファンへのファンサービスと、ロードの内弟子であるグレイたんの可愛らしさを愛でる作品と思います。

時系列的には第4次聖杯戦争から10年後、第5次聖杯戦争の開催直前までとなります。
TYPE-MOONの他作品とのクロスオーバーが行われているので、他作品を知っていれば知っているほど楽しいと思いますが、少なくとも、ウェイバーがマスターとして活躍した『Fate/Zero』は本作より前に知っていないと、意味がわからないです。
『Fate/stay night』も知っている方が楽しめますが、アニメだけだとマスターが二人ほど出てきますが、誰かわからないと思います。
分かる人には点と点の繋がりがすごく嬉しい作りになっていますが、結構コア向けのクロスオーバーですね。

創意工夫が凝らされていましたが、面白かったかというと個人的には微妙なところでした。
魔術とミステリーという中二心くすぐる設定を雰囲気で楽しめる方向けかなと思います。
原作小説を読んでいればまた評価が異なる気がするので、後日原作には挑戦してみようと思いました。

投稿 : 2023/05/18
閲覧 : 396
サンキュー:

5

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