でこぽん さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
優しさに包まれた時間
監督は佐藤順一さんです。
佐藤さんが監督するアニメは、いつも安心して見ることができます。
とても穏やかで、心地よい作品です。
「たまゆら」を辞書で調べると、勾玉(まがたま)同士が触れ合ってたてる微かな音のことでした。
古語では「ほんのしばらくの間」、「一瞬」(瞬間)、あるいは「かすか」を意味します。
でも、このアニメでは、写真に写り込む小さな水滴のような光球のことを主に指します。
沢渡 楓(さわたり ふう)は高校一年生の女の子。
中学の卒業を機に、亡くなった父親が育った町で昔よく遊びに来ていた町、広島県竹原市に家族全員で引っ越してきました。
楓は写真を撮るのが大好きです。
彼女が撮る写真には、笑顔がたくさん写っています。
それは楓の心が穏やかな笑顔に包まれているからかもしれません。
彼女が幼い頃に撮った父の写真。
そこにはたくさんのたまゆらが写っています。
それは優しさに包まれた幻想的な写真でした。
楓は幼馴染の塙 かおる(はなわ かおる)のおかげで、越してきてすぐにかおるの友達の岡崎 のりえ(おかざき のりえ)や桜田 麻音(さくらだ まおん)とも友達になります。
みんな、とても素直で良い子です。将来なりたい職業を目指して、みんな頑張っています。
ところで、この物語では、みんなで楓の父との思い出の場所を探すことになります。
楓の弟の香(こう)が幼い時に書いた絵をたよりに探すのです。
楓と香とが父との思い出の場所を探す探検は、いつの間にかみんなの探検に変っていきます。
それはきっと心が温かくなる探検なので、みんなも参加したのでしょうね。
まるでハイキングのような探検でした。最後は汗をかきながら、みんなで山の上を目指すのです。
山の上から見下ろす瀬戸内の海は、心を穏やかにしてくれます。
そして楓は、香の絵に描かれたものの正体がわかりました。
それは、優しさに包まれた心地よいものでした。
ほんのしばらくの間、皆さんもこの物語で心地よい時間を共有しませんか?
その時間は、たまゆらのごとく消えていきますが、いつまでも心に温かなものが残るでしょう。