nyaro さんの感想・評価
2.9
物語 : 1.5
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
大人が考えた子供目線の悪い例でしょう。
ファンタジーテンプレなんでしょうね。といっても世界的なスタンダードという意味でです。今日本ではやっている異世界への逃避ではなく、辛い現実を乗り越えて現世で生きろというのは、時代ですね。00年代初頭にはまだ現実と向き合うという思想が残っていました。
今は異世界への逃避か、チートな能力で無双する方向にいっています。それをばっさり否定する意味では、思春期前頃の少年少女に見てもらいたい話ではあります。ほのかな気持ちの交流はありましたが恋愛が入っていないので丁度良いのではないでしょうか。
ただし、思春期以降になるともう面白くないでしょう。あまりにキャラの内面がステレオタイプ過ぎましたし、善悪の基準や少年の葛藤も分かりやす過ぎました。大御所宮部みゆきの原作を読んだ記憶はありますが、内容が記憶に残ってないのはやはり面白くはなかったということだと思います。大人小説の難しい部分を少年向けに書き換えて、たっぷり勇気と友情と優しさを入れたということで、子供目線になるときに間違える大人のやり方感があります。つまり少し子供の理解力や感性を少し馬鹿にしている様に思います。
アニメです。小説の2人の少年は心中繋がりだった気がするので、アニメ版は更にマイルドになっているのでしょう。また、ラストに彼が現れるのはいかがなものかと思います。女神さまのサービス?神は原則に忠実で冷酷であるべきだと思いますので、こういうところが温いなあと思います。
これだけの奇麗な映像、声優というか俳優陣から言って金はかかっているでしょう。見ごたえはありますが、話だけでなく映像そのものがテンプレという感じで、模倣の塊のような映画でした。ですので、アニメを子供の時以来見たことない両親とアニメ初体験の小学生みたいなファミリーで見に行くのに丁度いい映画かもしれません。