nyaro さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
結果的にポリシーに反して考察サイトやWIKI等を見ましたけど…
この話はSFとして面白いのか、リゼロ的なタイムリープ物として面白いのか、思考実験アニメなのか、長年理解に苦しんでいます。
自分のSFリテラシーが弱いのかなあと思って、何度か考察に挑戦しているのですが未だよくわかりません。世間の評判は高いので私がバカで理解できないというならまあ諦めますけど…
1つめは、なぜ岡部の主観だけ記憶を保持できるのか?発明者だから?ダルはどうなの?
2つめは、世界線についてです。{netabare} αとβの世界線が2名の運命に収束するのはなぜか?アキバが変わるとか男女が入れ替わるほうがよほど大きな修正だと思うのですが。変動確率の変化的に人の生き死にが重すぎない?
そもそもαとβのそれぞれの世界線の中に、特異点として2名の運命が定まってしまっているとすると、それ自体が1つの世界線を確定する要素になっていると思うのですが、クリスは重要な発明があるから何か影響するということでしょうか?だとするとマユのαでの運命が良くわかりません。
αとβの違いはそういえばIBMのPCがあるかないかだったですよね。だからタイムマシンが活躍したわけで。なのになぜクリスやマユの生死の結果に収束するんだ?{/netabare}というのが疑問という言い方をした方がいいかもしれません。
3つめは、あるいはどこかに向かう世界線に結果として2つの運命がたまたま含まれるのだとして、 {netabare}過去の自分を騙すというのが納得いきません。さっきいった、クリスの死って結構重要な要素だと思うのですが。{/netabare}変動確率はどこにいっちゃったの?それともこの話って全て岡部の主観=個人的なインナースペースの話というオチ?つまり夢オチとか妄想オチ?
4つめは、世界線の移動はわかりますけど、過去に移動できるのはなんででしたっけ?情報が36バイトだけ送れるという説明はありましたけど。これって後から出てくる{netabare} タイムマシンは関係ないんですよね?岡部自身の主観が過去に飛んでいるのはなぜ?岡部の記憶の情報って36バイトどころじゃないですよね?
そもそも、伏線はあるにせよ最後にきてタイムマシンそのものがズルい気がしますけど。
つまり、過去に送信した情報で、その世界線における岡部の主観を見ているだけで、沢山いろんな可能性があるということ?でもそれって収束するんですよね?{/netabare}
ストーリー上の話です。これはSF設定ではないですが、Dメールを取り消す作業をしているとき、{netabare} 父親の死を受け入れる、男に戻ることを受け入れる、そして自分の死を受け入れる。{/netabare}各キャラがこれを苦悩も逡巡もあるにせよ、結果的岡部が望む選択になっています。
これってかなり不自然なことではないかと。ほぼすべてが主人公に対する愛情ということでしょうか。
演出とセリフが過剰すぎて、少々一気見するのが辛かったです。これって2011年くらいのノリでしたっけ?ニコニコとか2ちゃんねるのコメントをそのまま読むとこんな感じなんでしょうか?
話自体は前半の方がワクワクしました。多分ゲーム的なマルチエンドの楽しみ方として、こういう「謎」と「選択」は機能したんだと思います。アニメ作品として、きちんと終われていたか、がよくわかりません。
アニメの出来は美しいです。空の青さがどこか不気味でいい演出でした。キャラの体形が異常にスリムなのは性癖なのでしょうか。良く生きてられるなあというレベルです。体重35キログラムっていう感じですね。当時の秋葉では流行ってました?
ということで、2021年8月にレビューして以来、2度ほど作品理解にチャレンジしてるんですが、やっぱり分かりませんでした。2023年7月にそのチャレンジを含め内容をまとめています。もうWIKIとか見た方がいいのかもせれませんが、そうなるともう作品は見ないだろうなあ…
評価は4.2つけてましたが、3.6に変更します。
つまらなくなるので他の人のレビューを見てませんが、もう見ちゃおかなあ…と。理解できないとカタルシスが無いんですよね…
で、追記というか結論です。結局WIKIとかまとめサイトを見てわかったことですが、要するにSF設定ではなく物語上のゲーム設定ということですね。上記での疑問になんら答えはない感じでした。論理パズルには…なってるのかなあ?岡部の主観と言いきったところでなんとも言えません。
どうも世界線ごとの岡部は違う岡部で、Dメールで元に戻って…ですけど、やっぱり記憶が保持できているのがわからないし、そもそもはじめ岡部2人いたじゃん、と。タイムマシンが出てくると世界線は収束しないのか、違う法則で未来→過去は関係ないのか。タイムパラドックスの解説ってありましたっけ?タイムパラドックスが働かないならそれも設定の問題ですけど、時間移動と世界線の移動がごっちゃになってるのがなあ…
βにいるとタイムマシンが成立するのかな?それがPCの話でしょうけど、その2つの法則が混在している時点でよくわかりません。
そして、なんといっても世界線の収束がやっぱり岡部の主観だけに依存しているのがどうも納得感がありません。複数のタイムマシン使いがいるとどうなるんでしょう?やっぱり従来の並行宇宙の理屈で分岐宇宙の方が説得力はあります。まあ、そうするとαβの世界線に説得力はなくなりますけど。
要するに他の世界線は収束して消えるという私の認識(というより考察サイトの情報)が間違いないなら、測定可能なα、βとか複数の世界線が存在することに違和感があります。複数の世界線が残るならば岡部のやっていることはなんら事態の解決になってないし。だから主観という話なんでしょうか?
まあ、ヒューマンドラマがあるので、そこを楽しむのでしょう。少なくともSFに感じませんでした。長年考えてきて、がっかりしました。評価は3.4に落とします。作画と音楽の良さは否定できないので。
どこかで、優れた分析サイトにあたって、納得出来たら評価を変えるかもしれません。以前本作の評価に下品な言葉を使ってしまったので反省して修正しておきます。