cubemania さんの感想・評価
1.8
物語 : 2.0
作画 : 2.0
声優 : 2.0
音楽 : 1.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
中身がスカスカでいろいろ残念な出来というか
原作未読で、ドラマは昔視聴。ドラマもアニメもどれくらい原作を改変しているのかわからない上での比較により、ドラマが原作のような扱いになっているので、以下はその認識で。
ドラマは1時間で、アニメは30分だからか、プロット表現が中心となっているのか、正直言ってしょぼい出来。30分で原則1エピソードだからか、製作年度の違いで原作のエピソード数が異なるからか、アニメはドラマ以降のエピソードが中心だからか、主人公のマコト周辺の人物は大幅にカットされている。したがって、物語としての肉付けは弱く、単なる事件解決のみの抽出に留まってるように感じられ、どうしてもスカスカに感じてしまう。
物語の方も原作未読だからわからないが、こんなに甘いお涙頂戴だったのかな。 {netabare}例えば、5年前の傷害致死で出頭せず逃げ続けたカップルが5年後に妊娠しているからと被害者の父親が許すなんてありえないだろう。事件時に妊娠ならともかく、5年後に妊娠なら出頭する期間もあったわけで、いわば反省していない証明のようなもので、身を隠すわけでもなく、内縁の妻も被害者が粗暴にしても真相を明らかにしていないとか明らかに不自然だし、過剰防衛は認められるだろうが、刑を免除されるようなものでもないし、不問にされるのは無理がある。
中国人の技能実習生にしてもよくしらない外国人をいきなり養子にしたりするかな。農村戸籍だと第一子が女だと法律上、弟もあるかなと思ったが、このアニメは第三子を認める法改正以前だし、劇中で法改正にまで言及する割には出生年を考えても、弟の後の妹の教育費はおかしいだろう。無戸籍なら教育なんて受けられないし、まるで一人っ子政策はなかったのかのようだ。こういう設定は腎臓病の話も軽くしてしまい、養子などまですべて軽い設定と感じさせてしまう。他の回でも移民と技能実習生を混同しているし、いろいろ雑。
リユニオンにしても足を再起不能にされた人間が加害者を雇用なんてありうるのかねぇ。まあ、死刑事件で遺族がほだされて減軽へ動いた例もなくもないが、裁判員裁判での被害者遺族の意見陳述などをみていると、むしろ逆行が主流となっているとしか思えないが。こういうリユニオン自体を被害者が望まないことが多いし、あまりうまくいっていないように思うが、加害者にあったと刃物を研いでいた人間が何もないのにいきなり許すことになるというのはちょっとねぇ。原作だとプロット以外をうまく肉付けされているのかもしれないが、アニメは幹の話が精一杯という感じであまり説得力がない。
最後のサンシャイン通り内戦もドラマなら3話なのが、アニメだと2話で尺としては1/3。原作のサンシャイン通り内戦までのエピソードを扱ったドラマと異なり、アニメではまったく扱っていないから、人間関係や登場人物はカットで本当にスカスカでなんだかなあ。アニメとして終了するのに盛り上げるためのエピソード選択なんだろうけど、一部の事柄のみ採用であまりにひどいというか。 {/netabare}
OP曲もED曲もしょぼく、SADSが思い出されたが、なぜか7話のEDのみ清春のセルフカバー(?)で「忘却の空」。最終話の最後の最後で窪塚洋介で地上波解禁されたのかと思ったり。長らく捕まってないから大丈夫だろうけど、何かあったら、円盤や配信、再放送なども飛ぶだろうによくやるなと思う。似たような運動の高樹沙耶も捕まったから杞憂ともいえないと思うが。(政界に出馬していないから大丈夫か?)
登場人物も表現に困るが、同じ同期で動いているロボットのようで、変にスマートすぎるというか、いろいろ一様で人間という感じが乏しく、魅力に欠ける。劇伴もひどく、演出もかなりひどい。ドラマなら人間が演じているからおのずと個性もでてくるが、アニメだとそれなりにやらないと個性が表現されないが、そのあたりを無視したような感じで、カラーギャングの雰囲気やら暴力性などが効果的に描かれていないし、メリハリもないから、いろいろ平坦というか、淡白すぎる。凄みを感じさせるような演出もなく、印象に残るようなシーンがないのは致命的のように思う。
アニメ化は単にプロットを表現してキャラクターを動かせば一丁あがりくらいに考えているのだろうか。ドラマは宮藤官九郎脚本、堤幸彦演出、長瀬智也主演その他魅力的な俳優陣多数出演だから比べるのも悪いのかもしれないが、なんとも残念な気がする。万事についてセンスがなさ過ぎるが、元々、最近のオタク系のアニメ製作陣とカラーギャングは人間的に正反対のような気がするし、相性が悪いようにも思う。何とも感覚的なズレを感じざるえない。
元々、尺の面でいろいろ無理があるように思うし、2クールでそれなりの時間があるならともかく、1話でいろいろ割愛だとある程度こうなるのも避けられないように思うし、何を考えての企画なのだろう。ドラマから20年ということでアニメ版の企画が立ち上がったのだろうか。構成に自由度がありすぎる分、その能力の多寡が如実に反映したようにもみえる。
ラノベやファンタジーでないリアル系の小説のアニメ化は難しいのではないかと感じさせた作品だった。