cubemania さんの感想・評価
1.8
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 2.0
音楽 : 2.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
ブラック企業39歳から完全無欠の11歳への転生の狙いは何なのか
主人公はブラック企業のSE30歳から11歳少年へ異世界転生なのだが、感情移入できなくて困った。劇中で多少退行ありとされているが、39のおっさんが中身にしては純粋無垢な感じでまったく同じ人格を感じさせない。主人公が成人としてみると物足りないし、少年としてみても少年らしさも感じさせない。このギャップを生かしているわけでもなく、何のための設定なのかわからない。
世界観から魔法やスライム使いで周囲の大人たちは驚嘆し、賞賛するのだが、現実世界では子供が学業やスポーツなどで秀でていてもあくまで子供というカテゴリの中での話であり、一般的に大人の基準で有用で賞賛されるようなことはほとんどないし、そのような願望をもつ子供は少ないだろう。
異世界転生ものがある種の願望の反映であるなら、子供が成人基準で社会的に成功するということだろうが、そういう子供の読者、視聴者がいたとして39歳からの転生は違和感をもつだろうし、読者、視聴者が成年なら子供になって社会的に成功する必要性がよくわからない。
どういう理由でこういう感情移入しにくい設定なのかと思うが、攻撃性が皆無の内容から作者は女性で転生先が少年、成人男性だと描きにくいから子供設定なのかとも思うが、主人公は子供としての行動はまったく求めておらず、貴族の庇護も断って独立志向など子供の必要性は感じられず、違和感がつきまとう。奇をてらってのものか、異世界転生の理由づくりなのかともおもうが、いろいろ違和感しかないというか。主人公の声も変に純粋な感じなのもどうにもなじめなかった。
OP「ヤサシイセカイ」とあるように、登場人物は善人ばかりで毒気は全くない。ブラック企業に疲れた人向けなのかとも思うが、なぜか少年に戻って大人たちを感服させたいひと向けなのだろうか。
不思議なことに第二期が予定されているらしい。まったく誰需要なのかと思うが、よくわからない。