takumi@ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
予想以上の内容で毎回熱くなれた
放送当時、リアルタイムで観て、録画したのを再び観て
競技かるたというものが、こんなに熱いものだったとは、と
あらためて気づかされた作品。
2009年 第2回マンガ大賞2009
2009念 宝島社「このマンガがすごい!」2009年オンナ編3位
2010年 宝島社「このマンガがすごい!」2010年オンナ編1位
2011年 第35回講談社漫画賞少女部門 受賞
という末次由紀原作の少女マンガ作品。
百人一首は学生時代に暗記したし、競技かるたについては、
以前TVで見たことがあったものの、あまり詳しいことは知らなかった。
なのでこの作品を観て知れたことがたくさんある。
主な登場人物は、競技かるたに情熱を傾ける綾瀬千早、
小学生時代、千早にかるたの世界を教えた綿谷新、
千早の幼馴染で彼女に想いを寄せている成績優秀な真島太一。
この3人で恋愛模様が繰り広げられるっていうのが、
ごく一般的なイメージかもしれないが、
この作品は恋に関してとてもストイックというか抑えに抑え、
恋愛なんかよりもかるたへの情熱に全力を注いでいるのが
観ていてとても心地良く、また微笑ましかった。
かるたを取る時の畳を叩く音だけ聞いてると、まるで柔道や合気道の
受身練習でもしているように感じるのだけれど、競技かるたそのものが
文系でありながら体育会系なので、頷けてしまうのが面白い。
記憶力はもちろんのこと、長期戦ともなると体力やメンタル面での持久力が
必要で、ある程度の要領の良さと緻密な戦略も勝負への大きなポイント。
こんなに魅力的なものだったとはと、正直驚いた。
3人の友情と成長に加え、かるた部の部員たちの熱い友情もいい!
よくぞこれだけ揃ったねと拍手したくなるほど、それぞれがそれぞれを
得意分野でフォローし合えている部分や、
言葉には出さなくても伝わる想いやりなんかに、毎回じ~んとする。
そう、本当に毎回泣かされっぱなしだった。
哀しくてではなく、感動して涙が素直に毎回溢れてくる。
こんなアニメ作品も珍しいけれど、これはシナリオがいいのだよね。
がっかりさせて盛り上げる、落ち込ませて持ち上げる。
そしてじわじわと何かを予感させて、じらされてじらされて・・・
ようやくラストスパートをかけられ、一気に感情が溢れ出す。
かるた独特の「間」と、試合での手に汗握るような緊迫感。
うまいな・・と素直に思う。
{netabare}
千早はお姉さんがモデルで、両親もお姉さん中心の日々を送っていたけれど、
ちゃんと、千早のスクラップブックを作って、
かるたでの活躍を記録してくれているお父さんにも泣けたし、
告白こそできないものの、小学校時代から千早のことが好きで、
ほんとうは一番の理解者だったりする太一の、抑えた感情にも泣けて、
こと、かるたに関しては純粋すぎるほどの情熱と鋭敏な耳を持ちながら、
他の事にはからきし鈍感な千早にも、泣き笑いw
{/netabare}
当初、千早の声がその外見に合わないなぁと思っていたけれど、
よく考えたら彼女は、学校の生徒達からひそかに、
「見かけは美人だけど、しゃべったり動いたりするとガッカリな残念美人」
なんて言われてたんだった・・・
それを踏まえると、あの声はぴったりだったのかもしれない。
とにかくこの作品は、かるたへの生真面目なほどの情熱と、
コミカルな部分とのバランスがとても良かったし、
百人一首とかるたの2つの魅力を存分に教えてくれた。
とても日本的な内容ではあるけれど、
案外、日本贔屓の外国人なんかにもウケそうな気がする。
原作に登場していて1期にまだ出てこなかった人物は
2期に登場してくれるのだろうか。
2期がスタートした今今後の展開がとても楽しみだ。