「五等分の花嫁(TVアニメ動画)」

総合得点
86.7
感想・評価
1099
棚に入れた
5128
ランキング
188
★★★★☆ 3.7 (1099)
物語
3.6
作画
3.3
声優
4.0
音楽
3.6
キャラ
3.9

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ネタバレ

cubemania さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3
物語 : 1.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

ハーレム設定で少女漫画展開でのちぐはぐさ

原作未読。

五つ子の姉妹というのは漫画的な話でおそ松みたいなギャグならそれでいいのだろうけど、ギャグでもないのだから、設定が少年誌なら5対1でウケるだろう的な安直さが予想されたが、実際にはそれ以上だった。

五つ子というのは実際の多胎妊娠では減数手術で減らして出産するか未熟児、帝王切開で相当無理して出産するかの難産で、普通、そのあたりが話題になるのだが、この物語では皆無。一卵性かそうでないかの言及もなく、おそらくそんなことさえ考えていないのだろうと感じさせるような安直さが目立つ。

姉妹の無茶設定に、主人公は同級生で五人もの相手の家庭教師。五人相手のハーレムだからなのだろうけど、初期設定に無茶がありすぎるのでは。単なる五人姉妹だと上から下まで年齢的に幅がありすぎるし、生活上の接する時間の問題、必然性などから無理があるし、年齢的な関心などのばらつきの問題から一括で相手できて接点の必然性から家庭教師という無理筋な設定になったのだろうが、その無理さはやはりいろんなところに影響している。

こういう設定になるからか物語もいろいろと不自然さが渦巻いていて、始終もやもやさせられる。主人公と五姉妹は同級生にかかわらず最初と最後以外は学校での生活がほとんどない。この主要キャラで無人島にでも住んでいるのかと思うくらい孤立した世界にいる。 {netabare} 五姉妹の父から電話が数回、主人公の家族のわずかな登場があるものの、ほとんど物語に影響しない。 {/netabare}

やったことはないが、おそらく設定の重なるこの手の美少女ゲームと同レベルくらい人間描写が薄っぺらい。 {netabare} 主人公は人付き合いが苦手だからか友人などはほぼ登場しないし、姉妹の方も人数が多いから、友人など登場させると登場人物が増えすぎるからか、長女の芸能関係くらいで他の姉妹の人間関係はほとんどない。なんとなく主人公と五人でまわしておけば、話がいろいろ進むだろう的な安直さがここでも推認されるのだが、何ともキャラクターが生きてこない。最後の林間学校になって、無名の友人、同級生などがでてくるのだが、そこまで何もないのだから不自然だし、当然話に大きく関与せず、ただの背景と変わらない。

主人公の動機の借金にしても何で借金なのか不明だし、父親は無関心で主人公とのやり取りがあるわけでもないのに、主人公一人が苦悩している。貧乏ネタにしては学食くらいで切迫感もあまりなく、とってつけた設定なんだろうなとは思うが、何もかもが不自然でいくらなんでも雑すぎる。家庭教師経験があれば五人同時とかありえないし、同級生に赤点設定も安直過ぎるし、ギャグや一話完結ならともかくこれで連続ものとかいわれても感情移入できないだろう。家族の人間描写も非常に淡白だ。

そして、このハーレム設定の無理さで少女漫画的な展開だから何ともなあ。まあ、五人もいれば男女なんだから何らかの好意は一部で生じるだろうが、姉妹全員から意識され、主人公の方は草木というか、性的な意味がわかっていないほどの無知や幼い設定ではないが、草食系以前というか。聖人君子以前に人間が描けていないからひどく空虚でがらんどうというか。美少女ゲームなら下手な人格があるとプレイヤーとの相違の問題からからっぽでいいのだろうが、物語となるとそうはいかないだろう。ラブコメだから一気に進んでも困るが、性欲を感じさせないのでは何も始まらず、不自然さからのもやもやした感じだけが残る。 {/netabare}

五姉妹の方も同年齢なのに性格づけのためか本来異なる年齢を同年齢にしているからか長女が姉役、四女が妹役などにしているのだろうが、長女以外はひどく精神的に幼い。少女漫画でキャラクターがひとりなら少女がひとりもじもじしていてもそれでいいのかもしれないが、物語となるとその人物が主人公と姉妹以外とは没交渉だから、どうにも狭い世界で少女たちが固まっているだけで話が深まらない。そのまま話が進むのだが、物語が上滑りするだけで人間描写が深まらないから、視聴してもギャラクターに感情移入が深まらず、愛着がわかない。五人いるのもサブカル的で現代的なのかもしれないが、その分、焦点が定まらずどうしても散漫になってしまう。

顔が同じというのだから、一卵性なのかと思えば、声も性格も違うとなるとそうでもないのだろうが、物語では明らかにされないというか作者は関心さえないようだ。兄弟姉妹ならまず避けられない話題なのに、無視というのも設定の希薄さを感じざる得ない。一卵性で身代わりなどは定番のネタだが、この物語では五人の顔が同じネタはあるものの、必要性を感じるほどの設定ではない。何のための設定なのかと思うが、まさか作者が顔の書き分けができないからではないだろうが、使いこなせている設定でないだろう。

{netabare} そして、幼い頃の思い出、お守り、恋がかなうという伝説と少女漫画的な展開でこれでよく少年誌で続いたなあと思う。作者は男性という話だが、覆面作家なんじゃないかと思うが、主人公が草木な分、少女たちの方が独り相撲をとっているようなもので、おそらくアニメオリジナルでの最終回で結婚といわれてもおとぎ話というか。ちょっとひどすぎでは。まあ、タイトルからなんだろうけど、この五等分の暗示で恋愛へ影響というのもちょっとねぇ。。。共感しろといわれても困ってしまう。

少年誌でここまで何もおきなくて読者は満足なのかと思うが、プラトニックとか清い関係を通り過ぎて健全すぎるというか。これも一種のセカイ系なのかと思うが、連載は終わっているようだし、第二期は原作の最後までだとするとどうなるのかしらないが、ここまでゲーム的だと思考実験的要素は皆無だが、需要はあるようのだからよくわからない。 {/netabare}

投稿 : 2021/08/16
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サンキュー:

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