ガバ さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ポップな描写、リアルな描写のメリハリ
みぞれと希美、2人の少女の関係性の変化が主題でそれを繊細に描いている。
この手の内面描写を多くしないといけない作品はのっぺりとした退屈な進行になってしまいがちである。(特に序中盤)しかし、本作ではそれを全く感じさせない。劇中に出てくる絵本の世界を描くときには淡いおとぎ話のような感じで、現実の世界を描くときには少しリアル調な感じで、メリハリがあって退屈しなかった。もちろん、こんなことは工夫のうちの一つにすぎず、私が気づかない細かい工夫がたくさんあったのだろう。
そして、何よりも際立っていたのは、サブキャラクター、剣崎梨々花の可愛さである。
結局アニオタはキャラ萌えには抗えない。物語の中盤は「剣崎かわいい」で見ていた人も多いのではないだろうか。この物語の主題から一歩離れたところからあるゆえに、逆にポップにかわいく描くことができたと思う。(これがメインキャラクターであったなら、細かく内面描写をする必要が出てきて、そのポップさがなくなってしまうだろう)
剣崎のポップなかわいさも印象に残った一方で、みぞれのリアルっぽい細かい仕種も印象に残った。彼女の伏し目がちに髪をいじる仕種は、見ている方をなにか、もどかしい(?)気持ちにさせ、そのもどかしさがキャラクターとしてのみぞれの魅力やリアリティにつながっている。
以上、演出の妙やキャラの可愛さ、魅力で見ている人を退屈させない、かつ主題のほうもしっかりしているので大変よかった。(小並感)