u-i さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
まぎれもない青春を描いたアニメ
表現が独特で抽象的なため難解なように見えますが、ざっくりとした解釈を読み取るだけなら、この手のタイプの物語としては分かりやすい部類の作品だと思います。各エピソードや世界観設定について深く考えるよりも、まず全体の流れ、主人公たちの心理的な変化から考えると掴みやすいかなと。
特に主人公の長良がたびたび口にした「世界は変えられない」という言葉がこの作品を象徴しています。
物語の中では、中高生の少年少女たちの「世界の主人公は自分だ。自分は特別で、自分の行動で世界を変えられるんだ」という熱い感覚と、「世界を変えられるのは極々一部の才能ある人々だけで、凡人の自分が何をしても世界は変えられない」という冷めた理性の矛盾、その矛盾のに対する落としどころを見つけつつも、しかし大人になるということは何もかもを諦めることだけを意味するのではないはずだという気持ちと行動と、その結末が描かれています。
この物語は抽象的な表現を用いながら、まぎれもない青春を描いたアニメだと感じました。