ウェスタンガール さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
天狗の目、狸の目
“人の目”とは厄介なものである。
本来ならば、鳥の目、虫の目、魚の目のごとく、俯瞰し、様々な視点で、過去を鑑み、未来を見通すべきところ、そうは問屋が卸さない。
ターゲットにロックオンしたならば、たちまち視野は狭窄、煩悩の赴くまま突き進んでしまうのである。
脳天気にもほどがあると言われそうであるが、只今現在を愉しむことが出来る環境に在るのなら、そのようであっても致し方なきことであり、温暖化であろうが、コロナであろうが知ったことではないのである。
その意味では、赤玉先生も弁天さんも、はたまた二代目さんもご同役には違いない。
ただし彼らは天狗である。
少なくとも長生きである。
そして空を翔ぶことができる。
何よりレイ・ライン(Ley Line)を見通す目線をを持ち合わせているのである。
平城、平安京が在る近畿の地には、神代の頃より、巨大な“五芒星”を形作るレイ・ラインが存在する。
その一辺が伊吹山と淡路島の伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)を結び、京都と有馬温泉を貫く地脈であり、今回もまた、時空を越えた乱痴気騒ぎの舞台となるのである。
矢三郎は言う。
京都の制空権は天狗のものである、と。
もうすぐお盆である。
地獄の釜が開いたれば、夷川早雲や天満屋も加わって、飲めや歌えの大騒ぎ。
まあ、今年もまた寂しい送り火となるようではあるが…。
ここは静かにステイホーム。
愛すべき狸たちの饗宴にに想いを馳せるとしよう。