でこぽん さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
母親花のたゆまぬ頑張りに脱帽
狼男と結婚した女性が旦那の死を乗り越えて二人の子供を育てる物語です。
子供の名前は雪と雨。娘である雪が母親である花の半生を語る形で物語が進行します。
とても穏やかな物語です。
田舎の素朴さや自然の美しさと相まってBGMが心地よく物語を彩ります。
両親がいない花は、東京のとある大学で、ある男性と親しくなります。
その男性も両親がおらず、孤独でした。そして、その男性は狼男でした。
二人はすぐに結婚します。
孤独だった二人は家族に憧れていました。
目を覚ましたら「おはよう」と言ってくれたり、帰宅したら「おかえり」と言ってくれる家族がいるだけで、二人は幸せを感じていました。
やがて二人の間に姉の雪と弟の雨が生まれます。
そして子供たちは父親と同じように、興奮すると狼に変身するのでした。
しかし、子供たちが幼いときに、父親が亡くなります。
花は田舎に住み、二人の子供を必死に育てます。
花は自分のことよりも子供たちの幸せを第一に願っていました。
どんなときでも花は笑顔です。
『苦しい時ほど笑顔でいるように』と、父親から教えられたそうです。
だからこの映画はいろんなところで花の笑顔が見られます。それが心地よさを感じます、
でもそれは、楽しい時ばかりでなく、悲しい時や苦しい時もありました。
女手一つで二人の幼子を育てるのはとても大変なことです。
お金の心配はもとより、子供はすぐに病気になります。目を離すと危ないことをしでかします。
夜中じゅう愚図ることもありますし、昼間でも自分の要求が通らないときは大声で泣き叫びます。
ましてや二人はおおかみこども。興奮するとすぐに狼に変身してしまう。
それがばれると、今住んでいる場所に居れなくなってしまいます。
だから花は相当苦労したと思います。
でも、それと同じほど、雪と雨の笑顔に花は何度も救われたと思います。
子供は親から育てられますが、親は子供の笑顔で人生を救われるのです。
どんなつらいことや嫌なことがあっても、子供の笑顔を見ると頑張ろうと思えるのです。
そして親は子供にいろいろと教えますが、同時に子供からいろんなことを教わります。
それは学校では決して教わらない大切なことです。
やがて雪と雨は成長し、独り立ちします。
花は二人をよく育てあげました。花のたゆまぬ頑張りに脱帽します。