ちっか さんの感想・評価
2.7
物語 : 1.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
劇場版サイコパスですか?
作画はアニメ映画としては普通。いつもの細田クオリティって感じ。
声優も良。
映画全体の評価としては星3といったところか。
以下、良かった点と気になった点を挙げていく。
良かった点。
冒頭から歌で始まり歌詞もリズムも良く、
いきなり引き込まれた。
映画全体としてミュージカル調なところがあるが、歌と作画が良いのでマッチしていたと思う。
四国の田舎の生活風景をうまく表現していた。Uの世界との対比としてしっかりと成り立っていた。
ただ、あくまで生活風景についての評価なので、そこで暮らす人々についての評価ではないことを留意していただきたい。
ここからが本題、気になった点。
話の途中までは星4以上の出来栄えだと思いながら見ていた。問題は、物語終盤でそばかすが虐待を受けている兄弟を助けに行くシーン。
虐待を受けていることが発覚し、焦る気持ちも分かるが、いきなり高知県から東京まで一人で向かい始めたのはとても驚かされた。
そばかすのこの行動だけなら心情として理解出来なくもないが、問題は周りの人々だ。
まずは合唱同好会のおばさんたち。
そばかすが兄弟を助けに行くと言い出すやいなや、そばかすの父親に連絡すらせず、独断でバスターミナルまで車で送り届けているではないか!
それだけでは飽き足らず、娘が夜行バスで一人東京に向かったことを知った父親の反応がとても怖いものだった。
ラインで普通に東京行きを了承したばかりか、寒いポエムみたいな文章を送りつけて来て何か満足している。
これは僕の主観でしかないが、普通大切な 一人娘が遠く離れた地へかってに飛び出したら、全力で引き戻すか叱るべきだろう。
しかも今回は自分探しの旅の様なかわいいものでは無く、虐待を受けている兄弟を助けに行くというものだ。
もしかしたら相手の父親にひどい暴行を受けるかもしれない、一生残るようなキズを負わされるかも知れない。
そんなことを考えたら居ても立っても居られないだろう。とても父親の立場としてはポエムなど送っている場合ではない。
東京に到着しトントン拍子で虐待親子と会敵したのもつかの間、なぜかこれまでガタイゴリゴリサイコパス気質マシマシだった虐待父がそばかすの眼光に怯み逃げ出してしまった。
これには空いた口が塞がらなかった。
まさにご都合主義。この一言に尽きる展開を見せつけられ、大きくこの作品の評価を落とすことになった。
そこから先は正直、上映終了まで苦痛でしかなかった。
と、ここまで大まかな雑感を述べてきたが、細かい点ではストーリー中盤でラストまで予測できる平凡な作りや、妙にディズニー調の3DCG作画など気になる点はいくつかある。
この映画はサイコパス博覧会が観たい人や、音楽だけで楽しめる人にはオススメ出来るかも知れない。
僕の大好きなサマーウォーズを作った細田監督はどこに行ってしまったんだろう。
そんな哀しさを再度覚えることになった作品だった。