nyaro さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
子供の頃のノスタルジー。1度か2度見ればいいでしょう。
超ビッグネームです。かなり面白いです。でも、90分かけ再視聴するかといえば、多分しません。
舞台は所沢とか入間らしいですね。時代的には戦争の足音が聞こえていない感じで、電話があったので、昭和初期くらいでしょうか。結核療養所が狭山から清瀬に移ったのが確か戦中なのであっていると思います。
あの場所と家が、当時どれくらい田舎なのか見当もつきません。戦前は新宿渋谷すら田んぼだったそうで、まあ、日本のどこにでもある田舎ということなんでしょう。ですが、メイとさつきの様子と、引っ越してきた家のモダンな雰囲気、父が大学教授らしいので、都会から田舎に引っ越してきたということになると思います。
明るいところから暗いところに入ると、黒いものがザワザワして見える。風の強い日にガタガタと家がなる。森の神社、特に大木やしめ縄や紙垂(しで、白いギザギザ紙のこと)などに感じる言いようのない不気味さ。子供のころの恐怖の対象でした。そういった、子供の感性を見事に映像化しました。
トトロ、猫バスなど「大人には見えない不思議な出会い」がテーマの物語でした。
さて、ストーリーです。この先については、トトロとの出会い、傘のお返しの不思議体験、母の具合の急変から、姉妹ゲンカ、メイの家出、捜索、猫バス、エンディングと、アニメ好きならほぼ1度は見たことがあると思います。
これが夢かどうか、ですよね。具体的にメイが助かっているので、夢ではないと取れるわけですが、本作の中盤、さつきとメイのセリフ「夢だけど夢じゃなかった」というのが正解なのでしょう。
この世界の片隅に、の冒頭の妖怪と同じで、現実ではないけど何かの不思議体験をした子供にとっては現実だ、ということなのでしょう。
つまり本作は、子供の頃の思い出ですから、深掘りしてはいけない、ということです。子供の頃の感性を思い出すノスタルジーの物語ですから、何度も見る話でもないし、何度も見たところで面白くありません。1度または2度くらいだから丁度いいのでしょう。
都市伝説や深掘りなどようつべにいろいろありますが、やればやるだけ、本作の本質から離れて行っている気がします。