フリ-クス さんの感想・評価
2.4
物語 : 1.5
作画 : 4.0
声優 : 2.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.5
状態:途中で断念した
自己啓発セミナーでも、ここまではやらないかも
う~~~ん……、
まだ五話までしか見てないから何とも言えないんだけど……、
なんちゅうかその……ダメだわ、この作品。
まるっきり筋の通っていない話を通っているように見せられる、
『ニセモノ感』がハンパなく強い。
こんなの、わざわざfeelさんで作る必要ないんじゃないかしら。
原作の木緒なちさんは、デザイナ-兼エロゲのシナリオライターだそうです。
もちろんエロゲが全てよくないと言うつもりは毛頭なく、
あの『Fate/Stay Night』みたく素晴らしい作品もあるのですが……
これ、ダメな方のエロゲレベルですね。
お話も人のカタチもぐちゃぐちゃ、
エロが見たいがために黙々とクリック続ける、みたいな。
もちろんアニメだから『ご褒美』のエロシ-ンもないし、
何を目的に作っていて、
視聴者へ何を目的に見ろと言ってるのか、見当もつきません。
どこがどう酷いかは、多すぎて各話別に書くしかありませんが……
僕的に期待していた作品だけに、すごく残念です。
郷土料理をご馳走するからと誘われ喜んでついて行ったら、
相手がアボリジニさんで、生の虫とかカエルとか大盛りだった的な。
第一話 なにもかもダメになって
{netabare}
そもそも論として、タイムリープをしたがる理由が『甘えすぎ』です。
だって主人公がダメになったのは、
芸大に行かなかったから
というのが理由じゃないんですもの。
主人公に全く関係ないところでプロジェクトが頓挫し、
契約社員としてのクビが切られて無職に。
まだ28歳だし、仕事自体はできるんだから、
同業他社に転職して見返してやればいいだけのことでしょう?
万年人材不足の業界なんだから、
履歴書送りまくるなり自分でサンプル作品作って持ち込むなり、
できることはいくらでもあるはず。
やるべきことをやらずに
クリエイターにならなかったらおかしくなったんだ、なんて
なに現実逃避してんだって話ですよ。
学生さんならともかく、
現場6年もやっててこのメンタルはないわ。
で、都合よくタイムリープして、
男女混合のシェアハウスに住むようになり、
キャッキャウフフのキャンパスライフが始まるとかね、もうね。
あと、主人公の役者さん、言葉が『軽すぎ』。
特別ヘタだとは思わないけれど、
基礎声質と中途半端な演技力のせいで、
痛みもつらみも伝わってきません。ペラペラに薄いって感じですね。
主人公の妹も「ひどいなあ」とか思ってたら、D4DJのヒト。
二人ともブシロード絡みなんですね。
OPはポピパ、EDはアルゴナビス……もう、悪い予感しかしません。
{/netabare}
第2話 10年前に戻ってきて
{netabare}
脚本でゴタゴタする回だけれど、
そのレベルが低すぎてなんだかな、という感じ。
まず、モチ-フの『駅』なんて、
いわゆる『タマゴ』と同じで、困ったときの鉄板モチ-フですよね。
鍵かけてしまっておくようなアイディアでもないし、
ましてや、似てるとか同じとかぐちゃぐちゃ言う話でもない。
そして最悪なのが、尺と脚本の話。
最初から尺が三分以内と決まっているのであれば、
脚本は最長でも1000字、
タメを作りたかったら800字以下、
映像をしっかり見せたかったら600字以下でもいいぐらい
というのは駆け出しでもわかること。
それを最初に脚本家に伝えなかったのは、
現場経験のある主人公の、ゲンコツものの凡ミスです。
さらに、その後の議論もお話になりません。
問題は『尺に収まるか収まらないか』ではなく、
その量を収めたら
映像作品として『脚本の言いたいことが伝わらない』ということです。
そこをきちんと説明せずリライト頼んだら、そりゃケンカになるわな。
入社一年目のど新人ならともかく、
28歳にもなってこんなトラブルおこすやつ、現場にいらんぞ。
つまるところこのエピソードは、
視聴者のほとんどが制作進行の知識をもっていないのをいいことに、
低レベルのトラブルを『熱いモノづくり』にすりかえているだけですね。
なんかもう『ニセモノ臭』がプンプンしはじめた回でした。
{/netabare}
第3話 ぼくは何者なんだろうって
{netabare}
なんというのかもう『絶句回』。
順位のつく完成作品の試写会で、その完成作品を見せないってあんた……。
たとえば『響けユーフォニアム』で演奏シ-ンなしにして、
それで「勝った」「負けた」「感動した」なんて台詞を言われても
見る側は、ぼかんと口開けることしかできないですよね。
動画がないからスチール重ねて動画に仕立て上げるのも、
英子みたいにサイレントで仕上げるのも、
三分尺程度なら『あたりまえ』で、芸大生が驚く話じゃありません。
問題は、それで『何を創ったか』なんですが……
投球シ-ンを見せず「すごい魔球だ、誰にも打てん」
絵を見せず「素晴らしい才能だ、こんな絵は見たことがない」
何を発明したのか語らず「ノーベル賞級の発明だ」
なんて言ってるようなもので……こんなのイカサマじゃんっ!
視聴者を納得させるものが思いつかなかったのは推察できますが、
だったらアニメ化すんなよ、って話です。
{/netabare}
第4話 できることを考えて
{netabare}
相変わらず完成作品を見せる気はさらさらないみたいで……
他の作品の芝居を見て奈々子がショックを受けるという話ですが、
その作品がどうすごかったのか、
奈々子のお芝居のどこがどう悪かったのか、
まるっきり見当もつきません
それを言うなら主人公のお芝居なんとかしろよ的な。
で、その奈々子がカラオケで歌ったら
英子に「ほんとうは芝居じゃなく歌がやりたい」と見抜かれて、
さらにショックを受けてしまいます。
音痴だがいい声をしている→演技がヘタ→だからこいつは歌がやりたい
という奇抜な三段論法で決めつけ、
奈々子をボロクソになじる英子ってどうなのよ。
ただまあ、言ってることは正しいかな。
音痴を矯正する努力もしないで歌をあきらめるようなやつに、
ちゃんとした芝居ができるとはとても思えませんから。
そして、その立ち直り方がぶっ飛んでいます。
音痴で悩んでいるやつに機械で音程修正したもの聴かせてどうすんだ、
とか思ってたら、ものの見事に立ち直ってるし。
それ、球が遅いから悩んでいるピッチャーに早回し映像見せて、
キミはあと10キロ球速があがったらこんなすごい投手になれるんだ、
とか言うのとどこが違うんだろ?
ちなみに、修正済みの奈々子の歌、
僕の耳にはちっとも魅力的に聞こえません。
これ聞いて自信取り戻すって、ちょっと無理筋すぎるんじゃないかしら。
{/netabare}
第5話 自分の思いを打ちあけて
{netabare}
芸大の学園祭で何のひねりもないメイド喫茶なんて、
どんだけ才能のないヤツの集まりなんだよ、
とか思ってしまうのは僕だけなのでしょうか。
腰かけ・お遊び芸大ならともかく、
ちゃんとした芸大でそんなしょうもないものやったら、
周りから白い目で見られるだけな気が。
人を「あっ」と言わせる気がないなら、芸大なんか行くなよって話です。
で、この回のハイライトは奈々子のライブです。
なにしろ、シ-クレットゲストの代わりにいきなりステージに立ち、
不満たらたらだった観客を一瞬でつかんで大盛り上がり。
いやいやいやいや、話の方を盛り過ぎでしょ。
ヘタではないけれど惹き付けられる要素が何もない平凡な歌声、
ほとんど棒立ちで、
煽るようなアクションや振付が何もない歌い方。
芸大生はみんなハルヒ好きで『God knows…』さえ歌っときゃ、
みんな勝手にもりあがるとでも?
もうさ、こんな『ウソ』、いいかげんやめてくんないかな。
ちなみに、奈々子役の愛美さんもブシロード系列。
キャリアも長いし、歌も芝居も及第点の方ではあるけれど、
さすがにこれは『ムチャ推し』が過ぎるでしょ。
{/netabare}
というわけで、五話視聴段階では、
いわゆる『ちゃちなだぼら』程度にしか
この作品を評価することができません。
視聴者に制作知識がないのをいいことに、
いいかげんな話をつなげて『クリエイターごっこ』。
さあさあ、みなさん、
これがモノづくりの楽しさですよ、
こんなふうにしてたら女の子にモテモテですよって……
極左の洗脳集会や自己啓発セミナーでも、ここまでやらんぞ。
画はとてもきれいですし、
沢城みゆきさんや東山奈央さんみたいにいい役者も出ています。
古賀葵さんの九州弁もいい感じ。
だけど肝心のお話がこれじゃなあ……。
ちなみに、主人公の『恭也』って名前、
僕の耳にはどうしても
『このすば』の御剣響夜(ミツルギ キョウヤ)とダブってしまいます。
まあ、こっちの恭也くんも、あの程度の軽さではあるのですが。