二足歩行したくない さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
青春ブタ野郎は俺たちブタ野郎の夢を見ない
大人気ライトノベルを原作とする劇場版アニメ。
ワンクール版の続編で、語られないまま最終回となったヒロイン「牧之原翔子」に関するストーリーとなっています。
登場人物達のポジションだったり、ワンクールアニメでおきた出来事や思春期症候群とは何かといったところについては説明なく入るので、劇場版視聴前にワンクールの方は視聴必須です。
私がワンクール版を観たのが2年近く前なので、2年越しの続編のため記憶がおぼろげなところもあったのですが、観ていると色々思い出してきました。
前作ありきな内容で、劇場版で題材となる思春期症候群の症状も前作で説明した上での劇場版となるため、覚えているか不安な場合、再視聴をおすすめします。
ワンクールアニメ版と同様、量子力学と相対性理論を根底に置いたSFライクなストーリーです。
女子小学生が唾液交換するアニメにカウチでポテトな尻をぶりぶり振りながら喜ぶブタ野郎がゆめみる少女の夢を見ない内容ではないので注意が必要ですね。
なお、ワンクールアニメの方は、バニーガール姿で街を闊歩する先輩だったり、エッチな自撮をアップする同級生だったり、分裂する妹だったり、懐いてくる後輩だったりで萌える展開が続いていましたが、本作はアニメ版以上にブヒれる場面は少ないです。
過去のヒロインとは引き続きイチャイチャしつつ、新しい事件を女子大生くらいのお姉ちゃんと解決する、妬ましいリア充ライフが描かれます。
こんな青春送りたかった的な意味でブタ野郎の俺たちには刺激の強いものがあります。本物のブタ野郎を見せてやろうか。
タイトルに反して前作以上にブヒれない本作ですが、ストーリーは前作以上に素晴らしかったです。
1.5時間の上映時間中、無駄なシーンは一切なく、テンポよく進み、ありえない超理論に説得力が感じられ、ラストは感動しました。
謎だらけの序盤から2転3転して、ハッピーエンドへのルートが開けたと思いきや、そこからまさかのもう一転。
正直、視聴時にも「だったらよかったのに」と思いつつも、咲太のそれまでの行動を知っていたからこそ私的には諦めがあったのですが、この終わり方は本当によかった。
ただ、ストーリー展開自体説明が断片的で考えながら理解する必要がある部分があり、ラストも、どのようにしてこうなったのかがわかりにくいところがあります。
映画の因数分解がよくできているということだと思うのですが、難しいと感じる方もいるかもしれないと思います。
とても良かったです。
原作のストックはまだ少ないようですが、ぜひ2期が作られれば見てみたいです。