nyaro さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
さすが昔のガイナックス。鳥肌が出まくりでした。
さすが、この時代のアニメ、そしてガイナックス。アニメの美しさ、演出の良さ、外連味、メカデザイン、SF設定どれをとっても超一流です。
冒頭、雪国です。深夜から夜明け前の暗い時間帯から出発して、電車で一路都会へ。そして、都会に着くと朝日が差し込みます。希望を抱き上京する少女の気持ち、画面から伝わってきます。
追記;声優さんの声の聞き分け下手なので確信ないですが、冒頭の吹雪の場面のモノローグって、ノノの声じゃなくて、ラルクの声、でしたよね。ということは、光にであうとは、ラルクにとってノノは光になるという意味なのでしょう。これが電車の光と重なることで、ノノの夢とラルクの夢の両方を表してたんでしょうか。
そして、夢を目指し場末でアルバイト。そこには厳しいけど人情味があるママがいました。ニューヨークやハリウッドを目指す少女のイメージ。郷愁をさそいます。
酒場からラルクを追いかけるノノ。望遠レンズで狙ったような画面で、起伏のある道路の上のノノが一生懸命走っている姿が、彼女の夢にかける想いを良く表していました。
風呂場でデッキブラシで擦られて、ひどい事されてるなあ、と思うと、そこでロボットだと分かるという肩透かし。なんていいますか、クリエータの力量がこれでもか、というくらいに見せつけられました。
前作が沖縄だったことの逆、なんでしょうか。いろんな場面で、雪にこだわっていました。それがなにか物悲しい効果を生み出していました。木星にあったのはエクセリオン?でしょうか。
{netabare} 宇宙怪獣だと思っていたのが地球を守る側だったというストーリー運び。昔のトップをねらえ、と絵柄が変わっていることを逆手にとって、視聴者を見事に騙しました。本当に見事でした。宇宙怪獣が登場するシーンは鳥肌が立ちました。
最終決戦からエンディングへ。グレンラガンを思い起こさせました。惑星やブラックホールを武器に戦う画面、ラストのまとめ方も、ハッピーエンドかもしれませんが、切なくて、喪失感でいっぱいになりました。
最後の最後でこれがあのトップをねらえの1万数千年後の話であることがわかります。そしてラストは…。泣く、というよりは感動で鳥肌が立ちました。{/netabare}
前作の存在が前提ですが、アニメの出来、ストーリーそのものはトップをねらえよりも面白かったと思います。加えて、どういうつながりがあるのかもしっかり作り込まれていました。
続編という設定をうまく使って、しかも、思いっきりずらした設定で作り上げたのは見事です。
なお、OPの曲。ベースもパーカッションもストリングスも本当に気持ちがいい曲ででした。アニメの絵柄の移り変わるテンポの良さも心地よく素晴らしい出来栄えだと思います。
OPアニメの最後のところ、ノノが飛んでました。ネタバレをしつつネタバレにしない遊びがちゃんと入っていました。隅々まで作り込まれたクリエータのこだわりがでていました。
全盛期…かどうか知りませんが、ガイナックスの本気を見たような気がします。今この水準のアニメは本当に見なくなりました。