nyaro さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ツッコミどころしかない…が、悪くない。
冒頭の手術のシーン。縫合の場面の針と糸の作画、結構すごかったです。悪い評判ばかりなので、悪い意味で面白がるために見ましたが、考えを改めました。アニメの出来は1話が良くて2話以降で少しレベルが下がった気がしますが水準は高かったと思います。後半になっても、見せ所のアニメは奇麗だし迫力もありました。
「私が作った小型原子炉」というパワーワードが出てきました。世界の30%の富を動かすのに100億円とかスケール小さすぎです。ジャーナリストはスカイツリーから飛び降りないでしょう。話題のマヨネーズ最強理論が出てきました。1話だけでも1分単位でツッコミどころ満載です。でも、オリジナリティがあります。興味が惹かれます。今の異世界ものに足りないのは、こういうところじゃないでしょうか。
そもそも、異世界に転生とか転移する、ということろがツッコミどころなわけです。エルフとか魔法とかランクとかスキルとかも同様です。でもそんなもんいねーよと言えばそれまでです。
それと同様に本作をリアリティが無いとか厨二とか言ってるのは意味がないなあ、という気づきがありました。
で、その意味で本作のこの話の評価ポイントは「超人高校生」設定が面白いストーリーにつながっているか、ですよね。正直、商人、マジシャン、総理大臣はもうちょっと違う職業の方がよかったかもしれません。ジャーナリスト、医者と武士と発明家は良かったです。特に武士。これくらいぶっ飛んだ方が良かったと思います(つまり、男のキャラに魅力がないということかもしれません)。
商会のところの出来が話としてテンプレだったので、あれが話の初めのほうにあったのが良くなかったです。ただ、それ以降のエピソードは領主との対立とか、奇麗な農村とか、病気とか、それぞれ面白かったです。最後に登場した炎の槍を使った攻撃も迫力がありましたし、ストーリーに緊迫感もありました。エログロや戦闘での無残さも若干ありましたがマイルドでした。この方向を強調してもう少しシリアスさがあると、本作の意義がもっとわかりやすくなった気がします。
別にべた褒めする気はありませんが、平凡な異世界モノよりよほど興味をもって見られました。奥行きや考察すべき話ではなく、超人を活かしたストーリーを楽しむという点では、悪くなかったと思います。正直もっともっとぶっ飛んだ方が面白かったと思います。
最後に出てきた敵との闘いが面白そうなのに、俺たちの戦いはこれからだ、で終わったのが残念です。
恐らくですが、以降は文明化して街づくりの方向ではなく、龍を倒して元の世界に帰る、みたいな目標設定だと思われます。または民主主義でいくんでしょうか。民主主義は難しいとは思いますが。
そこが消化不良なので、減点要素は多々ありますが、他の異世界モノに比しても、酷評されるような出来ではないと思いました。