nyaro さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
本当に感動しました。青春ラブコメNO1かも。2回目と原作見ました。
よくまあ、こんな話を作りました。これバニーガールの第1話からここまでのプロットが出来ていたってことでしょうか。すごいと思います。最大の伏線が解決する上に、こんなカタルシスが待っているとは。
TVシリーズをぶった切って、映画にするのは嫌いなやり方ですが、本作に関して言えば、ここで奇麗に物語が終わっているので不満はありませんでした。
自己犠牲が必ずしも愛する人を幸せにしないジレンマ。そこに悩む主人公の気持ちと、それを理解しそれぞれが自己犠牲をいとわず何とかしようとするヒロインたち。
少し入り組んだストーリーの中で、人の動きや感情が本当に自然で、行動に疑問符がつく場面もありませんでした。
押しつけがましい理想論ではなく、キャラクターの性格とか考え方とか過去の事件とかいろいろな積み重ねがあるのでこの人ならこうするだろうというのが、本当に良く描けていました。
ストーリーについて、語っても仕方がありません。謎解きは必ずしも本作の感動のマスト条件ではありませんが、やはり、先入観がなければないほど感動が深まると思います。
SFとしての評価もできるでしょうが、これはやはり「青春もの」です。青春ラブコメNO1作品といえます。
{netabare}最後の1秒の翔子の表情で、心の底から良かったと思いました。ここでお互いがなんとなく引っかかってすれ違う、という含みを持たせるやり方もできるでしょうが、本作についてはこの幕引きで本当に良かったです。{/netabare}
本作を見終わった瞬間、アマゾンで原作11巻、ポチリました。もちろん新刊の文庫です。
で、2回目と原作読後です。
原作を読みましたが、ほぼアニメの内容と一緒です。私はどちらかといえば読書派なので文字を読んでいるときの方が感情移入できるので、より深く入り込みましたが、視覚や聴覚に感情を動かされる方は映画の方がいいと思います。
というか、相互に補完してアニメ→読書の順番だからより良かったのかもしれません。
で、改めて映画です。{netabare} 私はタイムリープものが嫌いです。それは他人の不幸を省みない主人公のエゴとその場限りの成功が必ずしも将来の幸せにつながる保証のない、短絡的なゴールだから物語に深みがでないからです。
ですが、本作にはやられましたね。TV版の古賀朋絵のパートもやり直しでしたが、タイムリープを意図した人間が他人を思いやって自分を犠牲にします。安っぽいヒロイズムでは無く、内面が見えてくるんですよね。愛情が上手く描かれています。
3人が3人ともその心と行動がわかります。それぞれの死の場面が描かれますが、どの死に関してもこじつけも無ければ無駄もないです。
それでいて、技巧的ではなく自然に物語が進行します。そして周辺の人たちの心情も良く描かれています。{/netabare}
ともすればありきたりの表現だと言えなくはないんですけどね。でも、ありきたりだとしてもこれだけ上手く表現できてれば、それは一周回って単純な表現を昇華して一つの境地に上ったと言えるかもしれません。
なにより最後のカタルシスです。1話からのめり込んだ本作で、もうこれしかない、という結末でした。
もともと満点で評価していたのであげようがありませんが…うーん。もし、私が古今東西の青春ラブコメでベスト作品を1つ選べと言われたら本作を選ぶかもしれません、と言えばいいでしょうか。
2期できそうなストックありますよね?もう1冊くらい欲しいか…もうそろそろいかがでしょうか。