Puny さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
いじめの材料を探してしまう人間の醜さ
情を持たないゴーレムが、
人間のソマリを子供のように育てるうちに、父性が芽生え、
心を通わせてゆく感動的なストーリー なのだが、
実は、人間の愛情なんて限定的で、
特に、見た目が違うと、それだけで残酷なことができてしまう。
人間以外の種族は、外見の違いでなど差別せず、仲良く暮らしており
見た目が違うだけで「異形」の一言でまとめ
平気で残酷なことをする人間が理解できず、恐れていたので
人間との接触を断ち、自分から人間達を迫害することで
身の安全を確保していた。という世界観が凄い。
ソマリは人間だが、人間はほとんど生き残っておらず
人間と接する機会もないので、人間とは何なのかを
探す旅をしているが、恐らく差別による自業自得で
他の種族から迫害され、数を減らしたのだろう。
8話の魔女フェオドラのエピソードは、
外見が同じでも、魔法が使える(能力が高い)だけでも
差別の対象になることを意味しており、
手放しで、人間賛美をしている作品ではないと感じる。
魔女とばれれば殺されると知りながら、友達を助けたのに、
村人は感謝の言葉も言わず、人のような姿をして気持ちが悪い
化け物、殺せ、殺してしまえ!と叫ぶ。
どっちが化け物なのだろうかと、恥ずかしくなった。
皮膚の色や、目の色、髪の毛の色、
頭が悪い、逆に良過ぎても、いじめの材料にしようとする
そういう人間の醜い面を、これだけはっきり描きながら
感情を持たないゴーレムと、かわいい子供の愛情物語として
成立させているところが、この作品の一番、凄い所だと思う。