ニワカオヤジ さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 2.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
バケモノのAV
評判がすごく悪くて敬遠してましたが、悪くないどころか、面白かったです。
渋天街だけの前半から、澁谷と行ったり来たりするようになって急に情報量が増えて怒濤の展開でした。
評判の悪いところは、だいたいは
「キャスティング」 と 「唐突な展開・説明不足」
の2点に集約されているかと思いますので、それらについて考察します。
【キャスティング】
もう、ホントにクソでした。擁護できません。
演技が棒という以前に滑舌が悪くて何言ってるのかよく分からなかったです。
実写なら滑舌が悪くても口の動きを見て脳内で補完していることを改めて認識しました。
アニメで違和感なくセリフが言える本職の声優さんって、滑舌がめっちゃ良いんですね。
【唐突・説明不足】
・ 九太がいきなり図書館で勉強に目覚める
・ 一朗彦がいきなり闇落ちする
などの展開が急に出てくるので、批判されているようです。
しかし、たかが2時間の映画なのでこんなものじゃないですかね?
最近のアニメ・漫画の傾向である、伏線を全部回収してきっちり説明をつけるというのに慣れていると本作は説明不足と感じますが、映画や短編小説って本来自分で行間を補完するものだと思います。
少し話がずれて自分の経験談ですが、
最近の大学生には、テストに対して「こんなことは習っていない」とクレームをつける人がいます。
しかし、本来大学の講義は講師が自分の研究など好きなことをしゃべって、学生はその情報から膨らませて自分で調べたりするものです。大学生はもう大人になっているのに、中高の詰め込み教育の延長線上にあると思っている人が、クレームをつけてくる訳です。
故立花隆氏の著作に「最近は東大生ですら、講義の意味が分からないと教授に文句を言うようになった。大学の講義なんて通常意味が分からんもので、それに必死に食らいつくべきだ。」と嘆く記述がありました。
何も大学に限らずアニメでも、エヴァンゲリオンはTVシリーズの時は全くもって説明不足で物語が破綻してましたが、みんなむしろありがたがってブヒブヒ言いながら必死に考察していた訳です。これはあの頃のオタクがマゾ気質で真性の変態さんだからという訳ではありません。
てことで、
本作は確かに説明不足で唐突な展開が多いですが、そこは自分で
「九太は漢字が全然読めなくてエロビデオ借りようにも内容が分からず、趣味と違うのを借りてしまって全く抜けなかったんだろうな・・・」
とか、
「一朗彦は父親の猪王山がタンスの裏に隠していたエロビデオをこっそり見たんだけど、ぶっちゃけイノシシの交尾見てるようなもので全く抜けなかったんだろうな・・・」
とか補完していけば良いのです。
え? 補完の方向性が違う?