でもしか さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
先輩の成長物語と二人の「愛」の物語
まず最初に書いておきます。
まだ見てない人に一言、絶対1話で切らないでください。
何なら5話、7話をチラ見してください。
それか騙されたと思って1話から最後まで、
見てそのうえで1話を見てください。
タダのいじめアニメではないことがわかります。
久々にアニメ作品にハマってしまいました。
アニメから入りました。
(最初ネタバレしないつもりでしたが、かなりネタバレしてます。
ご注意ください)
最初は上坂すみれさんの主役アニメで、気になって
軽く見ると1話の凄さに驚き、そこから続きが気になってしまい、
長瀞さんのデレ具合と男前さ、先輩のデレ具合と成長に
見入ってしまい、基本コメディ作品と思いきや、
最後の方にはジーンとくる部分もありました。
今は終わってしまってロス状態で、ほかのアニメを
見る気が起きません・・・。
正直1話が高いハードルであることは間違いなく、
そこで切ってしまったり低評価になったりすることは、
原作発表の頃からあったようで(原作も
アニメのエピソードと重なるところまでは読了)、
仕方ない部分があり、それが商業的に損している部分は
あると思いますが、アニメとして売る上で、
そこを大きく変えることなく出してきたところは
原作者・アニメ制作者・企画者の方の心意気を感じます。
原作と構成が変えてある部分もありますが、基本忠実に
原作での表情も再現するほど原作には忠実な向きが多く、
周囲でも良改変だと言われる評価が多いようです。
世の評価で気になるのは「先輩」である八王子直人の
評価。キモイとかムカつく、イラつくとか書かれているけど、
自分はそんなことはないと思います。
最初は「人慣れしていない芸術家」という感じでしょうか。
実際に過去にいじめにあっている描写もあります。
あまり世間一般ウケしない才能を持っている人間に
ありがちですが、嫉みもあったりで、いろいろあったのでしょう。
そうなると人に期待せず、目もしっかり見なくなるのは
頷ける話。
ですが基本、この「先輩」は非常にいい人です。
自分が罵倒されたり、ひどい目に遭うことよりも、
「長瀞さん」が悲しんだり、辛い思いをすることの方を
嫌がる。自分が損をしても人を助けるタイプ。
この意味で非常に「先輩」は男前です。
それでいて常識人でもある。
その「先輩」の助けるシーンが複数ありますがイイです。
長瀞さんは最初、興味本位だったのかもしれないですが、
そこに惹かれていったのだと思います。
その部分が魅力の一つです。
一方の長瀞さん、これまた「男前」です。
先輩に関わったのは興味本位かもしれませんが、
同じシンパシーを感じたのかもしれません(長瀞さんも
先輩同様実は不器用だと思います)。
それ以後はちゃらけて、1話の後半で「告白」してからかったり、
3話の長瀞フレンズとの先輩との初顔合わせにに「付き合ってまーす」と
ふざけたりしているんですが、
自分はこれなまじ本気の告白だったのではないか?と
思ってたりします。
3話、長瀞さんは先輩に頭すり寄せたり、必要以上に
スキンシップ図っています。
本気でキモいとか、ただ虐めてやろうと思う男に、
こんなことはしないでしょう。
おそらくこの子、こういうスキンシップ大好き系なのかなと
思います。
そんな描写はいくつかあり、お祭りでデートと言い切ってたり、
おんぶしてもらった時の満悦具合、
一緒にストレッチした際のこれもやたら密着したがる、
お祭り、アイス、ピアス、その時の笑顔とか・・・。
そのあたりがめちゃめちゃかわいいです。
先輩のこと好きすぎでしょう。
その長瀞さんの照れ具合、ドキドキ具合も非常に
よく表情変化で描かれています。
そんな普段はふざけ気味の長瀞さんですが、
決めるところは決めます。ここも先輩と同様。
部長との対決となるシーンで、長瀞さんが
先輩をかばうシーン。ここでまずジーンと。
そして、絵のモデルになるときの「先輩を絶対に勝たせてみせる」
という決意のもと、構図が決まらず書けない先輩に、
笑顔で応じ続ける健気さ。
普段はイジるふざけた後輩ではありますが、
こうしたところに「先輩」への長瀞さんの愛を感じます。
「先輩」も長瀞さんもいい人です。
長瀞さんは嫉妬深くて、ほかの女子に
先輩が弄られるのは嫌がり、拗ねますが、
最後近くなると「先輩」も長瀞さんがほかの男子を
弄るのを拗ねるようになります。
そのあたりニヤニヤします。
そうした二人の関係を丁寧に描いた素晴らしいアニメです。
イイですね、こういう作品。
ぜひとも2期以降が見たいです。
よろしくお願いします。