pikotan さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
あのカリオストロの城に影響を与えたかもしれない名作
長靴をはいた猫の一作目はシャルル・ペローの原作に準拠した物語ですが、二作目、三作目は長靴をはいた猫であるペロを主人公にしたオリジナル作品です。
一作目は人間の存在する世界でしたが、本作では人間が一切登場しません。
人間を動物に置き換えたタイプの作品です。
さて、今回視聴した三作目も面白かったのですが、傑作と思われる一作目に比べると中盤まではやや物足りない感じがしました。
ただし、ペロが世界一周から戻ってきてゴールの時計塔を目指す後半のシーンは見所でした。
ペロのゴールを阻止しようとするグルーモン卿や、3匹の猫の殺し屋達との攻防は、子供だったらかなりハラハラドキドキするでしょうね。
しかも巨大な時計の歯車の中を進んでいくシーンや、時計の針が進まないように頑張るシーンなどは、カリオストロの城の名シーンを彷彿させます。
この三作目は宮崎駿さんが東映動画を去った後に作られており、スタッフの中に宮崎さんのお名前はありませんから、別の方がアイデアを出したのだと思いますが、もしかすると宮崎さんが本作からインスピレーションを受けて、カリオストロのあのシーンができたのかもしれません。
作画に関しては45年も前の作品とは思えないほどよく動いています。
別な意味で驚いたのが、本シリーズは一作目から三作目まで、主要キャラも含めて声優が毎回入れ替わっていることです。
今では考えられませんが、昔はキャラクターの声の継続性は気にしなかったのでしょうか。
最後に余談ですが、本作が劇場公開されたのは1976年春の東映まんがまつりで、同時上映は「一休さん」「ゴレンジャー」「ロボコン」「グレンダイザー対グレートマジンガー」の4作品。
本作も含め5作品も観られた上に、昔は入れ替え制ではないので一度入場すれば何度でも観られるのだから、良い時代でした。