STONE さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
1クールでうまくまとまっていた感が
原作は未読。
テレビ放映時は同時期に放映された「スーパーカブ」と並んで、法律違反などの
道徳・倫理的問題で叩かれた作品。
こういったことに対する感想やスタンスは「スーパーカブ」のレビューで書いたからここでは
書かない。
ただ本作は作中でも吉田の行為が法律に抵触することにも触れており、吉田自身はそのことを
自覚しながら、自身の道義的感情を優先させている。
吉田は覚悟をした当事者ということでそのスタンスは理解できるのだが、事情を知った周りが
皆、吉田の行動に同調するのはいささか違和感はあった。
まあメタ的には吉田、もしくは周りが警察に連絡してしまえば、そこで話は終わって
しまうからなあ。
成人男性が家出女子高生と同居するようになるという、エロ漫画などにありそうな設定。
そういう点で、当初は「恋は雨上がりのように」のような年齢差のある男女の恋愛ものかと
思っていたが、むしろ「パパのいうことを聞きなさい」、「迷い猫オーバーラン」といった
松 智洋氏の作品や「うさぎドロップ」のような家族関係でない者が同居することによって
家族的関係を築いていく家族の再構成的ことをやりたかったような。
とはいえ、最終的には恋愛感情が生じてくるのは、先に挙げた作品群と同じだったりするが。
次第に家族のようになっていくという過程に関しては大きな劇的イベントより、日常系で
描かれるような小さなイベントを積み重ねて次第に馴染んでいく方が説得力があるように
思えるが、ストーリー展開を追うのに手一杯でそういうシーンが少なかったのは残念。
まあ1クールだから仕方ないと言えば、仕方ないのだろうけど。
それでも吉田と荻原 沙優の物語としては1クールでうまくまとまっているとは思う。
沙優の家出の理由と家出後の生活は思いの外シリアスなものだったが、沙優が男性経験、
それも泊まるための手段として複数の男性相手にそれを重ねていたいう設定は結構驚きであった。
この手の作品ではターゲット層を意識してか、ストーリー展開を強引にしても
メインヒロインを処女にしておこうという作品があったりする中、吉田との生活との対比、
そして吉田との生活によって変わっていく意識を描くという、ストーリー重視でこういう設定に
したという点は、個人的には好感が持てたりする。
吉田と沙優に関わることになる脇キャラに関しては基本的に皆いい人という印象。
沙優を連れ戻しに来た兄の一颯も沙優の理解者であった。
もっとも母に対して、盾になるほどの強さはないようで、そういう点では沙優を救うには
至らない。なまじいい人だけに余計に残念な感が残る。
中盤のイベント?である、沙優と同居していたことのある矢口 恭弥も登場時はいかにも
クズといった描かれかただったが、その後の描写は見るに本質的にはそう悪い人ではないみたい。
そう言えば先に「エロ漫画にありそうな設定」と書いたが、この矢口絡みの展開もNTR系
エロ漫画にありそうな設定w。
基本的には吉田と沙優に焦点を絞ったような感じであったため、沙優の友達枠である
結城 あさみはともかく、吉田に恋愛感情のある後藤 愛依梨と三島 柚葉はいささか所在なさげの
感があった。
2021/07/25
2023/09/21 加筆・修正