「Sonny Boy サニーボーイ(TVアニメ動画)」

総合得点
69.9
感想・評価
288
棚に入れた
807
ランキング
1685
★★★★☆ 3.4 (288)
物語
3.3
作画
3.4
声優
3.5
音楽
3.5
キャラ
3.4

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ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
いや~、分からん(笑) なんかやたらと哲学的で、科学的で、イミワカラナイアニメ、でした(笑)

これ、意味分かんないから、「感想系」や「雑談系」で逃げようかと思ったけど、流石にこのアニメで考察しなければ、じゃあ何のアニメで考察するんだと怒られそうなので(笑)、分からないなりに考えてみようと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
最初、「この世界」とは、スマホの中を1つの世界と捉えたのかな、とも思った。

本作の少年少女の持つ能力は、自身の深層心理が作用している、極めて限定的なものだ。それは、コンプレックスであったり理想の姿だったり。

スマホの世界ではなりたい自分(自分のコピー)になることは、案外容易い。しかも、現実の自分とは少しずらした形で。それを具現化した世界が、「この世界」なのかとも思った。

他方で、「学校」という極めて限定的な空間を拡大解釈したのが、「この世界」とも考えられた。

学校というのは、全員が経験するにも関わらず、とても特殊な空間だ。そこで通用する能力が、そのまま社会で通用するとは限らない。ある意味、「学校限定で通用する特殊能力」とも言える。

また、長良、希、瑞穂、ラジダニ以外は、名前はなくあだ名らしい呼ばれ方をしているのも、この四者以外は学校(学級)を回すための記号として生きていることを比喩しいているのかもしれない。

最後に、ヴォイスが「ここから出ても良いのか」と、校門で言っていたことからも、やはり「学校」、もしくは「青春」「思春期」を、「この世界」と比喩しているのかな。

そうなると、モラトリアム全開の作品になる。

(余談だが、もう私のようなオッサンに青春は帰ってこないと、寂しくなった。なぜかって? 僕の青春で、常に傍らにあり、今でもよく聴く「GOING STEADY」。峯田さんの現在の歌声をかなり久々に聴いたが、何とも色褪せていて、寂しくなった。いや、「銀杏BOYZ」に流れられたファンの方々にとってはそれも味なんだろうけど、ゴイステで時間が止まっている私にとっては、正直、聴きたくなくて、EDは毎回飛ばした。たぶん、自分を含めて時間が確実に流れている事実を、直視したくないガキなんだと思う、自分自身が。別に製作がそれを狙ってはいないだろうけど、変な部分で、自分は本作で自分のモラトリアムを実感してしまった)。

最終話を観ると、レビュータイトルに込めたようなメッセージ性も感じる。

「美しいものを美しいと思う、あなたの心が美しい」というのは相田みつをさんの有名な言葉だが、この言葉の通り、世界とは、それを観る人の数だけ色を変える。起こる事象としては共通した1つのものだとしても、サングラスをかければ暗く見え、黄色いメガネをかければ黄色く見える。

「この世界」とは、そうやって一人一人が見つめている世界なのかもしれない。

自分の心の窓を美しく磨くか、曇らせるか。私たちに世界は変えられないが、私たち自身の世界は変えられる。

最終回、長良は少し変わった。それにより、長良にとっての世界も少し変わった。それには、何の特殊能力も使われていない。それで良いし、それしかできないし。

この作品を観ていて思うのは、本当に1本の線なのだろうかということ。

こういう作品を観るとき、我々は自然と連続性を求めていると思う。つまり、「あるテーマを12話かけて訴えている」と。1話1話や、1人1人は全てパズルのピースであり、全部を綺麗に繋げられれば、美しい1枚の絵が完成されるはずと。

勿論、その可能性の方が大きい。ただ、もしかしたら、1話1話や1人1人が、別々のテーマを追いかけていて、結びつける必要がないのかもしれないとも思った(だとすれば、結構簡単な作品だと思う)。

総括しよう。

ヤッパリイミワカラナイ。ギブアップ(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
演劇みてるような作品だな。

2話目 ☆4
ネットが1つのテーマ? 漂流。見捨てられた。不正を許さない? 僕たちに世界は変えられないから、大丈夫? 対価のないものは燃える。通貨の発行で乗り切る。

3話目 ☆4
いつでもどこにでも、新世界の入り口がある? 閉じ込めたり燃やしたりルールで縛ったり。未来予知? 自分の世界に引きこもる。ぶつからないと分からないこと。仲間外れ外し。

4話目 ☆3
恐怖に対する知覚が鈍い奴がする遊び。なんかコメディタッチに。世界に打ち勝つ方法。殺されたのは、野球だ。遊びは今日で終わり。

5話目 ☆4
共に生きる。主の正体は小魚。信仰、救世主。世界の創造。能力はなかなかわからない。

6話目 ☆4
ようは、あったかもしれない自分自身の複製体? あったかもしれない自分の可能性としての自分? 

7話目 ☆4
すげぇ、ブラック企業論というか、生きるとは何か、という問いかけだ。偽物の希望で釣り上げられ、補食される。それぞれの旅立ち。

8話目 ☆3
山びこ。戦争。内なる世界。骸骨だらけの道をアイスクリームでも食べながら。神殺し。いつもに増して、難しい話だな。

9話目 ☆4
リバース。コピー能力。みずほがさくらと別れたくないのが原因。自分を殺すと、自分が死ぬ。

10話目 ☆4
戦地に。話が飛ぶからな。朝風。希だけが本音で生きている。だから、能力がないのか。それとも、希美だけがコピーではないから? 能力でしか自分を肯定できない。

11話目 ☆4
青と白の幕。希美の葬式。ラジダニ、2000年を旅してきたか。衝動の終わりが死。大人になるとは意味が薄れること。主体の入れ替わりが復活。

12話目 ☆4
宇宙を旅する。戻ったか。何も変わらない世界で、少しだけ変わったこと。
{/netabare}

投稿 : 2021/10/10
閲覧 : 294
サンキュー:

30

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