nyaro さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
6話は最高。後半は優れたSF。前半3話は…。
過大評価するつもりはありません。全6話でいえば、70点くらいの出来でしょう。尻上がりに面白くなります。前半50点に対して後半は90点、しかも4話70点、5話90点、6話110点という感じです。
第6話。特に後半15分の出来は、SFアニメの中でも最高の出来でしょう。木星を圧縮してブラックホール化して兵器にするという発想、ウラシマ効果(この場合は巨大な重力場による時間の遅延)を使った時の流れの切なさ。合体ロボの設定を上手く使ったストーリー展開。
銀河系の中心を崩壊させたとしても、地球まで影響が届くまで数万年かかりますから、それを承知でやったんでしょうね。ここもさすがオタクの集まりガイナックス。みんなでよってたかってSF設定を検討したのでしょう。
そして、それらの集大成としてのラストシーンは怒涛の感動という言葉がふさわしかったです。
ただ、物語全体で考えたとき、前半の3話はどうだったでしょうか。スポコンのような展開を軸にしたストーリーや申し訳程度にはいるノリコの恋愛。ものすごくチープだった気がします。当時の時代性がわからないので、このパロディー感がオタク界隈では、楽しめたのかもしれません。今見ると、ちょっとなあ、という感じです。
ちょっと古臭いアニメの画面や声優さんの過剰な演技もハードルを感じます。
この3話の中ではルクシオンの部分しか、物語的にもSF的にも見るべきところが無かったかなあという気がします。
それに対して後半の4話以降はどんどん面白くなってゆきます。ガンバスターの発進シーンは最高でした。音楽も良かったです。ただ、4話まではスポコン要素がまだまだ強いです。
5話以降話のスケールが大きくなり、ウラシマ効果を使った時間の流れがクローズアップされて行きます。ここから本当にああSFだなあ、という感じです。
もし、6話構成に意味があるとしたら、初めの緩いスポコンパートの3話があったから、キャラに愛着が出たり、ヒューマンドラマが描けたということでしょう。
最後の白黒はあんまり気になりませんでした。いい演出とも思えませんが、お金足りなかったんですかね。
なお、実際は、現在各銀河系の中心には超巨大なブラックホールがあることが確認されており、本作のような解決にはならないと思います。