ハウトゥーバトル さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
これは、そういう、お話
この話はとある港町に翼竜みたいなのが出現した話
ジャンルは怪獣・ロボット
アニゴジ、といえばサンジゲンさんによる「GODZILLA」の方を思い浮かべる人が多いでしょうが、一応こちらもアニゴジということになります。まぁ普通に「ゴジラSP」とかで呼ばれるんでしょうね
まず。本作は人を選びます
内容です。まぁなんでしょ。脚本が円城塔さんだって知った時は「ああやっぱり」と思いましたよ。円城塔さんの作品は未だ2つしか読んでいないので「円城塔が滲み出てる!」とまでは断言できませんが、何となく雰囲気は同じでした。
円城塔さんを知らない方に向けて言うなら本作は「解なし」です。脚本の円城塔さんはSF作家として有名であり、本作のSFは近代的なSF、というより現代的なSFという感じです(伝わって欲しい)。
展開上の明確な答えは存在しなく、媒体や観測者の数だけの解釈が混在しています。脚本や監督が明確な答えを意識して作ったのかは分かりませんが、この作品は視聴者の思考を発生させます。何によって何が作用し結果として何が何をもたらしたのか、自分の頭で考え、吟味し、納得のいく解釈が出来てようやく本作は「完成」します。正確に言うなら考えるまでが本作なのです。意味がわかるようで分からない。進んでいるようで後退している。分かれているようで同一性を有する。そんな不思議の感覚を味わってこそ本作の良さ、というのが分かるものです。しかし、本作を呆気ないと感じる人も少なくはないでしょう
なぜ本作に呆気なさを感じるのか。単純明快、「物語」だからです。物語だからどこか他人事感が強く、「だから何?」と問われればそこでお終いの作品です。そうなるとただの意味不明な作品となり、ただただ主人公達が奮闘して不完全なラストを迎えた本作に呆気なさを感じるでしょう
つまり
人によってはめちゃくちゃ意味不明のつまらない作品になるが、人によっては至高の作品になるかもしれない。
「これは一体誰の話だったんだろうか」ということで本作のレビューを締めます