「探偵はもう、死んでいる。(TVアニメ動画)」

総合得点
66.0
感想・評価
392
棚に入れた
1140
ランキング
3069
★★★★☆ 3.1 (392)
物語
2.7
作画
3.3
声優
3.2
音楽
3.1
キャラ
3.2

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ネタバレ

TaXSe33187 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 1.5 作画 : 2.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:途中で断念した

古き(良き点はない)ラノベ→原作読んでみたら

2話冒頭で中断して厳しいなと思いつつ書いてる
古い時代にあったラノベを今の時代に工夫せず、しかもかつての名作ほど練り込みもせずお出しした感じ

1話視聴
{netabare}ちょっと洒落た雰囲気を出そうとして滑り倒す言葉のセンスと、本筋の進行を阻害するようなギャグモドキがキツい
「そういう場面じゃないから…」な会話や脳内妄想をいちいち挟まないと本筋が進んでくれない
多分原作者が若い頃に読んだラノベの日常パートをそのまま真似て、自分のものとして昇華せずに並べたんだろうなって
会話の進行にメリハリがなくて、ハイジャックやら売人の追跡やらやってるのに緊迫感がない

「そういうの別にいいから…」を聞き流していると、やっているのは突拍子もない異能バトル
解決手段は「名探偵だから」を免罪符に謎身体能力と謎事前準備と謎推理と謎発明品
まぁラノベの名探偵なんてご都合主義的な舞台装置だから、そのあたりはどうでもいい
でも、知り合った経緯から事件の解決まで全部を「名探偵だから」で済ませるせいで何の感情もわかない

というか花子さんの話はいらなかった気がする
後の話に絡むんだろうけど、それにしたってここでやらずに1話は出会いと死別だけで良かったんじゃね?
下手に花子さんを混ぜたせいで男が裸を見られるだの脳内妄想だのコスプレだの不要な描写が増えてしまった
この辺の話は過去回として別でやれば十分だし、特に笑えもしないから見るのが苦痛だった

でもこれでタイトル回収まできたし、ここから楽しめるかな…と思っての2話冒頭
名探偵が死んで1年後の時間軸に飛んで、放課後の教室で女の子に「名探偵なの!?」と迫られるシーン
「答えないと喉ちんこに触る」で視聴を中断した

強引に話を動かす舞台装置が死んだと思ったら次は強引に話を動かすヒロイン?
百歩譲ってそういうキャラが登場するのは良いよ?でもこっちが求めてるのは新ヒロインじゃないのよ
名探偵の死後どういう日常を送ってるのか、そこを普通にやってくれれば十分だった
奇抜にするためにこのシーンから初めたんだろうけど、そういう奇抜さは1話のハイジャックでもうお腹いっぱいなんよ…
少なくとも1話を終えて「とりあえず2話も見てみよう」と視聴の意思がある人間に見せるならシンプルな展開で十分
原作由来か脚本由来かは分からないけど、強引な展開で話を繋げないとシナリオを作れないタイプなのかもしれない
{/netabare}

作画に関しては、名探偵が可愛いなーくらいの感じ
他は中学生に見えない主人公だのなんか違和感がある飛行機内部だの引っかかる場所は結構ある
キャラ萌えを重視するには十分だけど、話に目を向けようとすると気になるところが多いのは残念
まぁ崩れてる部分があるとかじゃないから悪いわけじゃないし、舞台が普通の街中になったら問題はないと思う

笑えないギャグと飲み込めない展開が続くので、2話以降見るかは微妙
他の作品を切ったらこっちに手を出すかも

追記
今期は見るもの減ってきたしこれもリトライしてみるかなぁ、と思いつつ躊躇していた
「じゃあいっそ原作小説読めばいいじゃん!」と思い立って1巻の半ば(だいたいアニメ2話の内容くらい)まで読んでみた
これ、原作の出来もちょっと……

{netabare}原作のシナリオの運び方としては、過去のシエスタとの冒険を振り返りつつ、
その中で関連する人物を軸に現代の話が進行する感じ
1話2話で言えばコウモリだし、3話以降(かな?多分)で言えば「さいかわのアイドル」が登場する
名探偵の死をきっかけに無気力になった主人公に、過去が追いかけてくるような展開

この形式の性質上しかたないとはいえ、時系列が無意味に前後する部分があまりにも多い
それだけならまだしも登場人物の経歴や心情に関わる部分が「過去に関わる要素」として伏せられているため全体が薄っぺらい
「時間軸を入れ替えるための入れ替え」が起きているために余計な文章が挟まり、結果的に全体が描写不足になっている
文章自体はそれなりに読めるレベルなので、単純に小説としてプロットを纏める経験が少ないんだろうなと

で、原作と比較してのアニメの話
アニメ1話はちゃんと過去のハイジャックから始まっていて、そこは原作よりは親切な展開
ただ、「花子さん」を1話後半のエピソードにしたのは完全に脚本家の問題

心臓の話を終えて、アイドルの話に移る段階では「花子さん」の話なんか一切原作小説には登場しない
時系列を整理して分かりやすくしたのはいいけど、その結果空いた1時間枠の後半に不要なものをぶち込むって意味がわからない

この展開なら1話前半をハイジャック、2話を心臓の話にすれば問題なかったじゃん
なんで完全に不要な蛇足を突っ込んだの?せっかく分かりやすい展開にしたのに余計なものを足す意味ないじゃん
シエスタのコスプレを見たかったの?それとも主人公が風呂を覗かれるのが描きたかった?
どっちにしても馬鹿じゃないの?アニメ化において一切の意味がない改変で原作から更に悪化させるなよ

ちなみにシナリオ描写や改変・尺の都合カットされた要素に重要なものはあまりない
なぜなら登場人物の設定から事件の発端・解決に至るまで「そういうものだから」以上のものが原作にもないから

主人公は巻き込まれ体質
シエスタは名探偵体質
渚は心臓引き継ぎ
コウモリは人造人間

これ以上のものが本当に一切存在せず、合理主義だの理知的だのと表現されている場面自体がご都合に塗れている始末
過去の活躍なんて「名探偵だから知っていた」「名探偵だからひと目見たら気づいた」ばかり
誇張や冗談を抜きにコレばかりなので、読んでいて退屈と言うしかなかった
{/netabare}

西尾維新や野崎まどのように「そうはならんやろ」な展開を多用する作家が面白いのは語彙や設定・キャラ描写で少なからず没入させるから
平易な表現と乏しい語彙、ほぼ存在しない設定の中で「そうはならんやろ」をやられても「へー、興味ないわー」としか言えない
まぁ唾液がどうとか鎖骨がどうとかで頑張って盛り上げてるつもりなんだろうけど、キャラの魅力が伝わる前じゃなにも盛り上がらない

このアニメに関しては、原作の段階で期待できる要素に乏しいためここで断念
原作に関してはせっかくだから1巻の最後まで読んでみるけど、多分評価が覆ることはないかな……

投稿 : 2021/08/21
閲覧 : 364
サンキュー:

5

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