STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえずの簡単な感想
タイムリープものではあるが主人公がタイムリープするのは終盤で、それまでは主人公である
ヴィヴィが様々な出会いを通して、自らも成長していく過程が主流のドラマといった印象。
こういった構図自体はロードムービーなどによくあるものだが、100年近い長い年月を
過ごすということで、通常のロードムービー作品より濃密な経験をしており、奇しくも
テレビ放映時に同時期に放映された「不滅のあなたへ」に近い構図になっている。
成長譚とも言えるヴィヴィのドラマはなかなか見応えがあり、その出会いによる個々の
エピソードも結構魅せてくれる。
またヴィヴィ単体ではなく、相棒的存在であるマツモトとのやりとりと、その関係性の変化も
面白いところ。
ヒューマンドラマとしては良かったが、タイムリープや人工物における心の問題などの
SFの部分は既出作品には及ばない感じで、特にAIに関しては設定の曖昧さが足を
引っ張っていた感がある。
根本的に最近のサイバーパンク作品などと比較しても、設定、世界観、ガゼットなどが
やや古臭い感じ。
以前、別の作品のレビューで、「作品世界内で素晴らしいとされる歌や演奏は、それに
見合った音が付くとより作品に説得力が増すが、逆もまたしかり」みたいなことを書いたが、
本作のヴィヴィの歌に関しては個人的にはその逆のパターンになってしまった感がある。
特にラストの「Fluorite Eye's Song」は100年近く歩んだヴィヴィの集大成と言えるもので
ありつつ、人類を救う切り札ということを考えるとちょっと⋯という感じ。
一アニソンとしてはそう悪いものではないんだけど。
作画はアクションシーンがなかなか良かったと思う。
キャストに関してはマツモトの饒舌でウィットに富んだ様を福山 潤氏が見事に演じていた。
別作品のレビューで種﨑 敦美氏の薄幸そうな演技が好きだと書いたが、本作のヴィヴィ役も
悩める役柄ということでごちそうさまでしたといったところ。
2021/07/19