「魔女の宅急便(アニメ映画)」

総合得点
89.3
感想・評価
1597
棚に入れた
11182
ランキング
86
★★★★☆ 4.0 (1597)
物語
4.1
作画
4.1
声優
3.8
音楽
4.2
キャラ
4.0

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nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

子供の頃はつまらなかったのに、感動しました。追記 ジジの件の不満あり。

 初めて見たときは、ロボットも戦闘機も妖怪も怪獣も出てくるわけでなく、なんじゃこりゃ、だったですね。宮崎駿に対する期待はそういうものでした。結末も尻切れトンボ感がありましたし。
 つまらなくはなかった気がしますが、トトロとかラピュタ、ナウシカなんかとくらべて、数段落ちるような評価でした。
 ですが、長じて改めて見ると、面白かったです。感動しました。

 視点はいろいろあると思います。時代が進んで古いものが無くなってゆくこと、少女が独り立ちするということ、才能とか伝統とか家業を継ぐという事、スランプになるということ、コンプレックス、ボーイミーツガール等々。

 空を飛び猫と話せるというだけの13歳の少女が、知らない街でがんばっている姿に様々なテーマが散りばめられていました。

 初めて見たときは、自分の容姿を気にしたり、靴を眺めているところなんか、女の子っぽい演出がちゃんとあったのにスルーしていた気がします。

 あのデッキブラシで飛ぶところとかワクワクしながらも、ギャグに取っていました。
 ですが、精神的に最低の状態になって、もう何もかもうまくいかなくて、でも、何とかなしなきゃならない状況になって。周囲の人に助けれれて、なりふり構わずもがいた結果、困難を克服してみんなに受け入れられる。そういう部分がやっと理解できました。

 「落ち込んだりもしたけれど、私は元気です」というのは、日々を生きるということは、楽ではないしつらいことも多いけど、前向きに頑張っています、ということなんでしょうかね。あるいは自分という存在を受け入れられたという意味なんでしょうか。
 手紙で相手に伝えているというのもいいですね。短い中になにか自分を客観的に見つめた飾らない言葉な気がします。このアニメを象徴する言葉ですね。本作の最後を締めくくるのにふさわしい素晴らしいフレーズでした。

 絵というか画はものすごく奇麗でした。今時の写実とは違いアニメならではの美しさでした。音楽も良かったです。

 気になった点。パンツ見せすぎなのと、あの画家の女の子の絵がシャガールにしか見えないので、お前の個性じゃねーだろ、という突っ込みがあるくらいですかね。
 あと、冒頭くらいのセリフが翻訳みたいな言い回しだったのが、違和感がありました。ちょっと外国の小説の翻訳みたいな雰囲気がだしたかったんですかね?

 宅急便ってクロネコヤマトの商標じゃなかったっけ?と思ってたら、クロネコヤマトがスポンサーだったんですね。はまりすぎです。


追記 ジジの件で不満。評価をちょっと落とします。

 結局ジジはしゃべれなくなるんですってね。それは宮崎駿の独りよがりな解釈な気がします。成長=猫との会話ができなくなることではおかしいでしょう。
 13歳満月の夜って誰が見ても初潮の象徴じゃないですか。だからキキは父親のスキンシップから離れて行くわけです。女になったから魔女として独り立ちするのに、恋をしたからとか成長したからしゃべれなくなるって変じゃないですか?

 魔法がスランプで使えない=ジジとしゃべれないって、いうストーリーなんだから、魔力を失う=猫としゃべれなくなる、飛べるようになった=ジジとしゃべれるようになる、じゃないと矛盾がある気がするのですが。

投稿 : 2021/10/03
閲覧 : 280
サンキュー:

7

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