退会済のユーザー さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
夏休み親子で見る映画としてこれ以上ない力作
アニメーションでしか得られないゾクゾクする快楽。竜とそばかすの姫はそんな快楽を遺憾無くラストに感じさせた作品だ。本作は「デジモンアドベンチャー/ぼくらのウォーゲーム」・「サマーウォーズ」に続くネット世界を舞台にした細田守監督の最新作である。
物語は地味な陰キャの主人公のすずが活躍する現実世界と、すずのもう1人の姿でえる絶世の歌姫ベルとして活躍するインターネットの世界「U」の2つで展開されていく。竜とそばかすの姫はミュージカル映画の要素があり、物語のポイントで必ずベルの歌パートがある。これは深夜アニメの劇場版に感じる物とはまた違う大衆向け映画の圧巻のスケールの快楽を感じる事が出来るだろう。そのワンカットがあるだけでこの映画を見た価値があると思わせてくれるクオリティの高さは、細田守監督レベルの作品だからこそ見れる物だ。
一方で主人公すずが過去に起きた母親との出来事・親との接し方など、地味な陰キャの自信の無い主人公すずが人間として成長していく様も落とすこと無くしっかり描かれていた。現実世界とネット世界をリンクさせながら進んでいく話は、非常に分かりやすく作られており、頭の中で整理しながら見れるので安心出来るポイントだ。
圧巻の歌パートと人間的成長ここにネットという現代において密接に繋がっているものをリンクさせる事で、「竜とそばかすの姫」はまさに大人から子供まで楽しめる夏休みにピッタリのファミリー映画として素晴らしい出来と言えるだろう。深夜アニメを見るようなコアなアニメファンが心の底から満足できるかは分からないが、見て損する映画では絶対に無いだろう。