Dave さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
傑作になれなかった佳作
中盤までは家族で結構楽しめました。小出しにすることでスケールの大きさを感じることができたし、何がどうなるんだろうというワクワク感もあった。しかし終盤が酷かったので、もったいない作品だったなという印象です。
1.21世紀らしいゴジラ×アニメ
ゴジラに関しては、過去にゴジラ映画は視たことがある、だけどそんなに内容は覚えてはいない、というくらいのレベルでした。アニメ版ってどんな感じだろう、21世紀に怪獣ってどう描くんだろう、と思って視聴を始めたんですが、AIとか出てきてちゃんと今っぽいしアニメとしてのクオリティも高いなと引き込まれていきました。クラシックな感じのメカが出てきたかと思いきや中身は近未来AIだったりしてギャップも面白かったし、ロートル爺さんが大活躍だったり、クラシックな素材に今っぽい表現や設定が加わっていたりと、バランスも良かった。
2.SFのルール
問題は終盤ですね、おそらくほとんどの人が「ついていけなく」なっただろうと思います。怪獣というコンテンツを出すにあたって、それらしい設定が必要だったことは分かります。既に60年以上経過したコンテンツですから、その発生原因や設定についても大幅にアップデートしようと意気込んだのでしょう。しかしフィクションだからこそ、わかりやすい設定が必要だと思うんですよね。結局のところ、どれだけあーだこーだとこねくり回したところで「~という作り話」に過ぎないわけですから、それっぽい嘘科学用語をたくさん出したところで意味はないわけで。要はフィクションなりに、どういう「ルール」が設定されていて、問題をどうルールに従って解決するか、というシンプルな話を視聴者に理解させる必要がある、それだけです。
現実・科学が複雑すぎて理解できないのはこちらの理解力が低いだけ。
フィクションで複雑すぎて理解できないのは作り手が悪いだけ。
3. 傑作のポテンシャルを持つ良作
この点、本作は終盤に至って伏線の回収ではなくて、煙に巻くような意味不明な似非理屈に尺を使ってしまって、おもしろさが半減しました。音楽もめっちゃカッコよかったし、途中までテンポよくグイグイ引き付けていっただけに、拡げた大風呂敷の回収が煙に巻いて終わるだけになったのがとても残念です。もし最後が納得エンディングだったなら、傑作と評価していい良作でした。