薄雪草 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
これは楽しみ!!
2話まで観ました。
えっ?
何でしょう。この漲るEDの歌曲は。
ダイミカルに躍動する40人の若々しい肢体。
男役と女役の目くるめくスパーキーなデュエット。
グンと伸ばした背筋に、意志の気高さを凛と魅せている "星の候補生のシルエットたち" 。
「星の旅人」ですって。ED。
ガツンと痺れました。
これは、好みです!
もう、楽しみです!!
~ ~ ~
最終話までの一つ一つのエピソード。楽しく観られました。
「助六になれないなら、オスカル様になる!!」
この二人は、ともに18世紀を舞台にするスーパースターです。
上演すれば、満員御礼間違いなしの演目でもありますね。
花道で見栄を切る助六は、歌舞伎十八番にして、粋の極致をみせる漢ぶり。
銀橋で華を魅せるオスカルは、女性市民の地位を得て、革命に散華します。
・・・さらさって、達眼しているというか・・・。
生粋の "かげきしょうじょ!!" なんですね。
ついでに言えばこのオスカル。
上背は、さらさとは寸分違わぬ178センチです。
さらさは、助六への憧憬は横に置けたとしても、オスカル様だけは、譲れない適役!という料簡が、胸の奥に芽生えていたのでしょうね。
舞台上で昇華されるのは、100%ピュアなジェンダー観。
萌えも、映えも、極めも、全部ひっくるめて、役者冥利に尽きるもの。
歌舞伎も、歌劇も、男役なら漢気の心底に徹し、女役なら気色を艶やかに醸します。
とは言え、オスカルは、伯爵家の末娘として生まれ、しかも、跡取りの長男として育てられたレディー。
どんなに麗人(ヒーロー)と称えられていても、歪な人生のレールを全力で疾走していった女傑(ヒロイン)だったのでは・・・。
そう感じると、ちょっぴりフクザツな気分です。
さらさは、オスカルの生きざまをよく知っていたはず。
だから、たとえ世間知らずに才走ったとしても、簡単にはへこたれないし、キュートに振る舞う気丈夫さだって、身につけていったんじゃないかなって思います。
オスカルは、王国の近衛兵としての初任務は18才、民衆の衛兵隊長として落命したのは33才でした。
さらさは、まだ15才。
彼女の舞台は、教室の稽古場です。
満開に枝をたわませるには、あとどれだけ場数を踏むことになるのでしょう。
この夏、さっそうと予科を駆け抜けていった100期生の逸材たち。
いつかきっと、本科を踏みしめ、やがて巣立っていく才媛たちに、再会したいと願っています。