nyaro さんの感想・評価

3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

追記　フィナちゃん成分が足りない。構成より演出の問題かもしれません。

　２期が来たので、改めて数話確認しました。構成の問題とか作画とか、初回視聴時の第１印象と変わらないんですけど、特にフィナちゃんの登場回数が少ない。そしてフィナちゃんの可愛い成分不足は本当に不満なんですけど、それ以上に言えるのがやっぱり最大の失敗は演出かなあ…と。

　本作は、俺ＴＵＥＥＥヒロインの周囲にいる各キャラの「間」とか可愛らしさ、驚き、心の動きなどが大切なのに、その描写がアニメ版は雑な気がしました。
　原作では周囲の登場人物が結構なモブまでキャラ付けされていて、ヒロインとの対比で面白さ感動があるのですが、表現できていません。

　例をあげると、コミック版では孤児院のお姉さんが孤児の為を思って集めてきた野菜くずを、ヒロインから飼育のためにニワトリにあげていいか？と問われてお姉さんが躊躇する場面があります。
　ここでヒロインとニワトリビジネスに対する不安と不信、信じたいけど信じられないような躊躇、孤児院でいかに苦労があるか、お姉さんがどれだけ辛い目にあっているか、このお姉さんの優しさとかそういうものが数コマで表現されています。

　こういう素晴らしい場面を切ってしまうところに作品理解の不足が感じられます。この判断をしたのが演出なのか監督なのか脚本なのか構成なのか作品によって役割が違うでしょうから演出という言い方が間違っていたら御免なさい。
　ただ、パン屋、クラーケン。どこを見てもそれぞれの登場人物が浮かび上がってくるような表現がコミック版と比べてかなり物足りないです。

　何で熊なの？という出落ちの脱力・繰り返し芸も表現しきれてないし、キャラ演技のような広義の意味での演出力不足に感じました。原作が面白い…というより面白みがある、というほうがいいような雰囲気を表現しきれていない気がしました。

　２期でどれくらい改善しているかこれから確認します。



以下　初回視聴時の感想です。

　マンガ版だけ既読。小説はちょっとだけなろうで冒頭みています。

　アニメってなんで構成を変えるんですかね。ブラックバイパーのところからスタートする意味って、１話で視聴者を引き付けるっていう意味でしょうか。ほら、本作のヒロイン、面白いでしょ？強いでしょ？すごいでしょ？を印象づけているんだと思いますが。

　本作に関しては効果的ではなかったと思います。それにフィナを早く登場させたほうがいいし、オオカミのところでギルドの仕組みとか世界観を説明できますし。何より、何でクマ？という出落ちが面白いので、視聴者を引き付けるという意味ではＷＥＢ版またはマンガ通りで良かったのでは？と思います。

「隻眼のラッシュさえいれば」みたいな伏線なんだか細かいギャグだか分かんないような「味」の部分が省略されていたり、孤児院のところで朝おきたら巨大な土壁があってそれがニワトリ小屋だったみたいな「画」の見せ方が大事なのに、金属性の普通の檻でしかもクローズアップばっかりで迫力がなかったり、とにかく脚本、演出、画の見せ方が下手だなあというのが印象でした。

　あと、キャラデザなんですけど、アニメ版はヒロインが可愛すぎて、間抜け感がないんですよね。体形とかひょこひょこ歩く姿なんかはよくできてると思うんですけど。アップとか止め絵が多いせいですかね。ひょっとしたら周囲のキャラの衣服の作画が適当すぎて、着ぐるみと大して違わないということかもしれません。
　声優さんの演技がうますぎるせいかもしれません。もともとクールな性格のヒロインには声優さんの演技が正しいのかもしれませんが、もうちょっと間が抜けた演技のほう良かった気がします。
　ここはヒロインを丁寧に作りすぎて、かえって面白さを損なってしまったんでしょうか。感覚の問題なので違う意見も多々あるでしょうが。


　作品そのものは、ほぼテンプレなんですが、それを気にする人はいないでしょう。クマの着ぐるみを着たヒロインの見た目の間抜けさと強さ・クールさのギャップを楽しむ話でしょうから。そして、それだけでなくヒロインの性格もなかなか魅力的でした。

　でも、アニメの出来として、構成、脚本、演出、キャラデザ、声優さん等々、結構不満が残りました。マンガ版が面白かっただけに、少し残念な結果でした。