シボ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
認められてなかろうが確かに存在しているんだ!
戦争している相手国、ギアーデ帝国。
完全無人機戦闘機械レギオンを開発して他国へ侵略した敵国。
公式ホームページでその背景を確認するとギアーデ帝国は自ら開発した
レギオンのコントロールを失って周辺諸国と共に滅亡したらしい。
対して、
そんな人類存亡をかけて闘うべき自立型AIレギオンと戦争している
主人公ミリーゼ(レーナ)少佐がいるサンマグノリア共和国。
街中では平和な日常があって徹底的に戦時感が欠けています。
いくら86の人々が人として認めていられないからといって
この無関心な空気感ってありえるのかな~って思いながら
序盤は観てました。
ただ
街頭でのニュースでキャスターが戦死者なしと戦果を読み上げるのみ
だったり、
ハンドラーとして前線を指揮する場合も、あれだけ発達して
いる世界なのに知覚同調で通信はしているのに現場映像が全くない。
あえてなんだろうけどこの制度を作り出した人達は
現場で生き死にをしてる86の人々の絵を排除することで
共和国の人々が現実で起きてる事象を感じさせないようにしています。
やっぱり人はそこで起きてる一人一人のリアルな生き様、死に方に
悲哀や共感、嫌悪感などの感情が沸くのであってそれをとことん排除していくことで、ちょっとクズ過ぎるだろうって思えてしまう共和国の人間が出来上がってるんでしょうね。
そんな中、幼いころシンの兄に救われたレーナは別の感覚を持っている数少ない共和国人で86の人と積極的に関わろうとします。
スピアヘッドの人達は魅力的なキャラ多そうなんだけど、容赦なく
どんどん死んじゃいます。
あまりにあっけなく死んでしまう過酷な状況が続くので暗くなりそうなもんだけど、
現状に自暴自棄になったりせず、冗談を言い合ったり出来る強さが
あります。
本音は仲間の死や自分の未来に絶望感を感じてるに決まってます。
そんな中、レーナは現場との感覚の違いで地雷を踏んじゃいます。
セオに本当の名前を知っているかって問いただされ気づきを与えられる
シーンは良かったですね。
彼らの本当の名前を聞いた時から、徐々にお互いの事を理解しようと
していき、その関係性が変わっていくのが良いんです。
立場の壁はどこまでも高くて、分かり合えるとこまでは簡単にはいかないですけど。
中盤
印象的だったシーンは花火ではしゃぐ仲間の中、アンジュの涙。
いくら明るく振舞っても、仲間が好きだった人が死んでいくのが辛くないわけありません。
シンと兄さんとの決着がクライマックスかと思って観てましたけど
レギオンの一部と化した兄を倒して話は終わりません。
その後は
生き残ったスピアヘッドのとことん報われない現実が続きます。
帰る場所のない生き残ったシンと仲間たち。
86区の戦場の外へ「先に行きます 少佐・・・」
最後の別れを告げて、恐らく死しかない外へ歩みだす彼らを前に
何も出来ずにただ泣き崩れるレーナが切ないです。
ゴールのない道を進み続ける後半はひたすら悲しい話でしたね~。
ペットのようでR2D2みたいな動き方やしゃべり方?で
和ませてくれてたファイドも最後に
やってくれてます。
これまでの軌跡、スピアヘッドの生き様を見せてくれるシーン。
ファイドに思わず本音を語ってしまう隊員達の姿は
悲しいシーンばかりじゃないけどやっぱり切ないんですよね~><!
澤野さんの音楽が染みちゃうんです。
最終話、現地を訪れるレーナ。
みつけた書籍の中のスピアヘッドのメンバーの写真。
ここで初めて本当の名前と顔が繋がった瞬間の切なさと言ったら・・
少し涙出ちゃいました。
ようやく彼らの顔を知ることができたレーナですが、その彼らはレーナの顔を知ることはもうないんでよね~・・やっぱり切ないです。
闘う決意をしたレーナが歩みだすラストでしたけど
後半の2期は10月にあるみたいですね。
どういう展開になるのか気になるし、是非続きも観たいです。