「星を追う子ども(アニメ映画)」

総合得点
66.3
感想・評価
648
棚に入れた
3191
ランキング
2946
★★★★☆ 3.6 (648)
物語
3.5
作画
4.1
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.4

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ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ブランドとは何か。初めの30分と後半90分が別物。

 ブランドというのは、長い間培った付加価値に対する顧客からの信頼といえばいいんでしょうか。または顧客に対する約束ともいえます。

 新海ブランドというものがもし仮にあるとすれば、これは顧客からの信頼が守れたと言えるでしょうか。約束を果たしているでしょうか。
 もちろん、そんなブランドは無いと、製作側が言うのであれば、新海ブランドを信じていた顧客は離れてゆくでしょう。

 また本作は、タイトルについてはどうでしょうか。私が見た限りでは、 {netabare} シュンの最期の歌をヒロインが聞いた。そのとき、シュンにもヒロインが見ていた星の世界が見えた。ヒロインはシュンの記憶を引き付いた。{/netabare}
 だから、シュンはヒロインに会いたかった。そして星を見たかった。だと思います。このパートで終わっていればいい話だと思うんです。星を追う子供にぴったりかもしれません。
 だったら冒頭の30分くらいの話にすればいい訳です。題名と残りの1時間30分がかなりずれています。正しいタイトルでしょうか。

 と、考えたときに新海監督の作品の作り方を考えると、初めは30分+後半の地下世界20分くらいの合計50分くらいのいつもの感じで、シュンとヒロインの関係で企画をしたんじゃないでしょうか。{netabare}死の直前の歌と鉱石ラジオでつながった二人。出会いがあって、星に憧れて最後の時を星の下で過ごす。{/netabare}
 そうするとものすごくタイトルと合うし、そのまま新海ワールドです。

 ジブリ雰囲気なのはいいとして、ヒロインの演技が過剰過ぎて静かな雰囲気の世界観に対して、動きがうるさく感じます。
 そして、後半約75%の世界観は、前半の新海ワールドから突然のジブリワールドになります。
 つまり、新海監督が何に負けたのか、又は何に挑戦したのかわかりませんが、30分の新海ワールドを2時間の映画にするために、ジブリのメソッドをくっつけた映画なのでしょう。

 前半30分の昭和40年代後半から50年代初頭くらいの雰囲気がすごく良かったのに、残念です。また、背景も、写実的過ぎなくてアニメとしての美しさは非常に好みでした。

 話自体はまあ面白いです。が、これは新海ブランドを信じた顧客を裏切った映画だと思います。
 

投稿 : 2021/07/08
閲覧 : 279
サンキュー:

3

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