nyaro さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
あのとき先生は、ああするしかなかったでしょうね。(追記 先生のゲスト出演の件)
世間とは違う空間で2人きりで過ごす、というのは特別な意味を持つ時間だと思います。素性も知らない2人の間にほのかな想いが芽生えるのは、ものすごくわかります。そもそもフィーリングが合わなければ、そんな時間は過ごせません。
先生は、多分真面目で優秀だったんでしょう。そして自分に対して真摯だったんだと思います。だから、心が疲れてしまった。彼氏もそういう面倒くさいところが嫌になったんでしょう。でも、嫌いにはならなかったんでしょうね。彼女が出来ても最後まで面倒を見て上げてました。
そんな自分を自覚しているから、主人公の告白を受け入れられなったのではないでしょうか。
先生にとって、主人公は癒しだったけれど、それは純粋な恋愛感情ではない。そのまま受け入れれば不幸になることが理性で分かった。でも、感情では主人公にすがりたい。一緒に居たい。好きだと言う気持ちもある。だからこそ、断るしかない、付き合うわけにはいかない。階段で泣くシーンはそういう先生の葛藤だったのかなあ、と思います。
やっぱりこれはバッドエンドではないと思います。主人公は先生のための靴を作った。それは彼が独り立ちするための決意であると思います。問題は、ここに恋愛としての決別の意味があったかどうか、ですよね。歩く練習、つまり、お互いが依存しない関係になる、という意味だとは思います。
主人公がいつか会いに行こうという意味。それが、独り立ちしたからこそちゃんと好きだと言おう、なのか、恋愛抜きで自分もちゃんと独り立ちしました、という報告なのか。
言えることは、あの先生の部屋の告白で付き合ったとしても、絶対にうまくいかなかったでしょう。
でも、まあ、ごちゃごちゃ言いましたが、やっぱり、うまくいってほしいですね。でも、年の差が…主人公、変わり者だから気にしないですかね。とにかく、秒速5センチメートルエンドはもういいです。先生の手紙の最期に靴マークもありました。ハートマーク変わりだと思う事にしましょう。
それにしても驚異的な映像でした。君の名は、よりも上ですかね。主人公のポエムは普通に効けば恥ずかしいですが、この美しい映像には合っていました。
追記 先生の他作へのゲスト出演の件です。
{netabare} 先生「君の名は」に出てますね。元気そうに古文で「誰そ彼」を教えてました。「君の名は」は例年お盆過ぎたころには再視聴するので見ていて、ちょっと思い出しました。ここでそう言えばと思って、左手の薬指と靴がみえるかなあと何度か確認したんですけど、ついに見えなかったですね。結論隠すなあ…{/netabare}