nyaro さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
偉人VS紙使い。荒唐無稽なのが面白い。古き良き作品。
脚本・原作者の倉田英之という人は相当のビブリオマニアらしいですね。三上延(ビブリオ古書堂の事件手帳)と共著で、マニアックな読書の新書を出しています。ということで、読子さんの人物造形は作者の趣味が色濃く反映しています。
化物語で「かみました」のどこかで出てくる神保町の読子さん、というのはこのヒロインの事です。つまり、西尾維新も見ていると思われます。
原作も本アニメも、かろうじて2000年代に入っていた頃だと思います。主人公は成人女性で、舞台は現代、スパイアクション+ファンタジーです。この時代の作品らしく深みは余りないんですけど、大人の世界を垣間見るような背伸び感がある感じですね。古き良き作品です。
この作品の設定は相当荒唐無稽です。ですが、原作・脚本の倉田英之という人は、俺いも、とか、神のみぞ知る世界、メイドインアビスなんかを手掛けた実力派で、ストーリーは相当面白いです。
原作、マンガ、TVシリーズのアニメと相当メディアが広がっていて、話は重複していません。それで話が分からなくなることはないですが、冒頭のシーンなどは、原作読者に対するファンサービスみたいなカットになっています。
過去の偉人、平賀源内、ファーブル、一休、玄奘三蔵等々がクローンとして復活し、世界征服(というか優秀な人間だけ残す的な事)を企みます。偉人と対立する大英図書館という稀覯本を集めるスパイ組織が戦います。
主人公の読子は、その大英図書館の諜報員です。極度のビブリオマニア(読書狂)で、神保町の古いビルを買い取って、すべてが本で埋まっているので、その屋上にプレハブを建てて住んでいる、という変態です。
紙を自由自在に操れるという特殊能力があります。この能力を活かして、偉人たちと戦う話です。
キャラ造形が少し古いタイプの天然系なのでこのタイプのキャラが嫌いな人はいるかもしれません。また、アニメ中では述べられていませんが、過去大人の恋愛もしてたみたいですね。
かなりのアクションもので、映像が奇麗というより面白いし、30分ちょっとのOVA3本分なので映画感覚であっという間に見てしまいます。