レオン博士 さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
戦うことに己の存在意義を求め続けた男達の生き様
原案のあしたのジョーは知らないのですが、知らなくても楽しめるのでご安心ください。
メガロボクス1は試合が中心で、ジョーの戦う理由が不明瞭だったし、全体的に軽さがあってイマイチ好きになれなかったが、2を見ることで人としての奥深さを感じ、より魅力的に見えたのが良かったです。
1が栄光の物語なら、2は挫折の物語。
1は1で綺麗に終わってるので、なんか2は1の栄光を否定するような感じもして、人によっては見たくないものなのかもしれない。
でも、何もかもうまくいくばかりが人生じゃない。
栄光の陰にはたくさんの挫折や失敗や後悔がある。
作風はかなり重苦しく荒廃していて哀愁が漂っていて辛気臭くて古臭い感じ。
なんか悪口みたいになっているが、それがこの作品の持ち味であり、唯一無二の魅力なので、良い意味で言っています。
その辛気臭さが、その哀愁が、「生きてる」って感じがする。
試合もスポーツっていうよりも闘いって感じで、爽やかさなどほとんどない。
かなり人を選ぶ内容だが、こういう雰囲気のあるアニメは貴重。
なんていうのかな、世界が近代化に向かって全力で進んでいる栄光の陰でそんな栄光とは無縁の世界だけど、そういう世界の人達だって誇りをもって生きている。
栄光をつかんだ人からしたら、どうしようもない世界観だが、その世界でしか生きられない人がいて、彼らにとってそれは己の尊厳を賭けた闘いなんですよ。
なんのために戦うか?
そんなもの、生きるために決まっている。
誰だって生きるために戦っている。
そんな彼らの生き様を見て、色々と考えさせられるものがあった。
どんな状況になったとしても、誇りをもって、生きたいものですね。
全体的に面白かったが、5~9話はかなり蛇足だった。
気に入らないのはサチオ関係と佐久間関係。
ジョーとのわだかまりはいいけど、他の子ども達も含めて
ジョーとの確執を言い訳にして腐った生き方しているのが1から継続してみている人間にとってはかなり残念な部分だった。
ぼんじりの店なのに勝手に客に危害加えて、復讐されてジョーに助けてもらってオイチョも礼は言わないよとか言ってたけど、ぼんじりの店でしょ。
サチオの怒りは最初から見当違いで、おっちゃんやジョーの一体何を見てきたのか?って思った。ジョーが出ていったのも悪いけど、もとはと言えば「人間の生き様」を理解できず、自分の価値観を押し付けたサチオが全部悪いと思うのだが、ジョーと一応和解しても、そのことに気づいたわけでもなさそうで、「何もわかってない子ども」を数話にわたって見せられて、すごく見ていて蛇足な話だった。
南部のおっちゃんがなんで強がったのか、子どもだからわからないのも仕方ないけど、大人になったのなら気づくべきだ。自分が何もわかってないガキだったってことに。
佐久間関係はさらに輪をかけてただ不快なだけの話で、正直、こういうのはスポーツアニメに求めてない。
作中の言葉を借りるなら「越えてはならない一線」ってやつ。
こういうのやりたいのなら、別のアニメでやって欲しい。
最終的にちゃんと制裁されたからまだ良かったけど、やっぱりいらないよこういうの。
最後の試合は良かったけれど、チップの性能を本人の強さが上回ったとかご都合主義もいいところで、説得力がまったくないです。最後のタオルもちょっと違う気がした。
現実でもいまだに社会問題になっているヒスパニックの移民問題をテーマの一つとして取り扱っています。
たいへん重くデリケートな問題を取り扱っていますね。
日本人にはなじみがあまりないテーマですが、ヒューマンドラマとしての見ごたえがあって面白かったです。
面白いという表現が適切かはわかりませんが、とても丁寧に一人ひとりのキャラクターを掘り下げていて、バトルシーン以外にも見どころが多かったですね。
とても面白かったです。