STONE さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
作中のクソゲー感が、視聴している側にも
原作は未読。
作品内のゲームソフト「極・クエスト」がリアルすぎるという設定で、「ゲームゆえに
省略されたり、都合が良かったりする部分がリアルだったら?」という、一種の思考実験要素を
持ちつつ、「ソードアート・オンライン」などに代表されるゲーム世界を舞台にした
ファンタジー系作品に対するアンチテーゼ的作品かと思いきや、リアルが強調されるのは
プレイヤーに取ってマイナスな部分ばかりで、実際に視聴した印象はゲームものだけでなく、
転生、転移系なども含めた異世界ファンタジーもののパロディといった感じ。
このゲーム世界で主人公の結城 宏(以後、ヒロと表記)がひどい目に会うというのが基本的な
ネタではあったが、うまいこと笑いに転化できておらず、ただただヒロの不幸を
見せられていた感じ。
おまけにそのネタの内容がおしっこネタをいつまでも引っ張るもので、小学生
じゃないんだから。
加えてメインヒロインの如月 玲於奈がそれを笑ったり、状況を悪化させたりと、更なる
仕打ちを。
この手の立ち位置のキャラはえてして主人公と同じ境遇に陥ったり、視聴者に近い位置にいる
俯瞰的立ち位置にいることが多いだけに、これはきつい。
一応、これもギャグ要素なのだろうが、うまいこと笑いに昇華できなかった感じ。
あとギャグものであっても、「本作のようなバトル要素、冒険要素のあるような作品は
要所要所で主人公の活躍することで、視聴者がカタルシスを得るような展開は必要だな」と
改めて思った。
原作者が同じ土日月氏の「慎重勇者〜この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる〜」や、
ギャグ系RPG風ファンタジーの「この素晴らしい世界に祝福を!」などはそういうところを
ちゃんと押さえていたが、本作はそういった部分が弱く、問題解決も主に周りのキャラが
動き回ってのものが多かった。
本作はゲームを通じて成長していく主人公の成長譚的側面もあるだけに、主人公がここまで
受け身だとダメなんじゃないかと。
終盤でようやく盛り上がるようになってきたところで終わってしまったが。
主人公がパッとしない分、アリシア・フォン・ローターゼン、ミザリサといった
ヒロインキャラが危ない性格でやりたい放題といった感じでなかなか良かった。
特にアリシアの壊れっぷりはかなりインパクトありで、ファイルーズあいの演技も良い。
2021/07/04
2023/10/15 加筆・修正