nyaro さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
今期NO1の面白さ。まず一気見しましょう。考察はそれからです。
面白そうなので、今期が終わるまで寝かせておいて本当に正解でした。話はマジで面白いです。ながらは絶対やめましょう。入り込んでまず楽しみましょう。
新宿鮫とかを思い出す古き良きハードボイルドミステリー。ハードボイルドといえば探偵事務所かタクシードライバーですよね。謎に対する回答の筋は通っていますし、物語の構成もしっかりしています。
1場面1場面をしっかり見ることをお勧めします。無駄な場面がほぼありません。こういうアニメが増えればいいなあ、と思います。
10億円の当たり、インコの埋葬と拳銃の発見、消しゴムの件とか、登場人物の人間関係があまりに重複することなど、偶然の要素がかなりあります。これを批評的にとらえることもできるでしょうが、比較的前半にこれらの偶然要素は出そろっており、解決のご都合主義になっていないので、トリックとしてはフェアだったと思います。そこに対する不満はあまり感じませんでした。
ただし、物語としては、やっぱり偶然に頼りすぎている気がしました。
以下ネタバレの考察です。若干、気になるところチェックして追記しました。
{netabare} 大きな謎について。推理小説を読み慣れている人は、アニメのかなり初期から主人公以外は動物に見えていないんじゃないか、という疑念は持つでしょう。ホントに獣人ものなら、普通なら動物名で呼び合うはずです。それをやっているのは主人公だけなので。回想シーンの手なんかも人間ぽい表現でした。これはわかりやすかったです。
(追記;1話の運転している女性のシルエットも人間でした)
5話でスマホを仕掛けた黒猫の子に対して、原宿駅でスマホを渡したのは拳銃男。どこで2人は知合ったんでしょう。マネージャーは流しの主人公を偶然拾ったように見えますが、拳銃男はどうして主人公が来ることがわかったんでしょう。
拳銃男が初めから尾行していたなら、マネージャーが手を上げて拾ったのと黒猫の組み合わせが偶然すぎます。ちょっとここがわかりませんでした。
あと、アイドルの黒猫の子の入れ替わりですが、ちょっとズルイと思うのが、女の子の入れ替わりの前後で2人とも黒猫で描写する必要がないはずです。
ここは製作者側のトリックとしてフェアだったでしょうか。前の女の子(行方不明になった女子高生)を主人公は見てない気がします。このトリックを使うなら、主人公が行方不明になった女の子が黒猫に見えている場面を入れるべきだったでしょう。というか黒猫にしない方が本当はいいはずです。
(追記;テレビでコンビニの防犯カメラの後ろ姿、で主人公は入れ替わり前の黒猫ちゃんを見ていました。)
そもそも、動物に見える設定と主人公の人間を1度見たら忘れないという記憶力がリンクしないと、本作のキャラを動物で表現する意味があまりないですよね。なのでここは前提にします。
あの10億円あてた熱狂的なファンがなんで気が付かないの、とかいうところと整合性を取るために黒猫-黒猫にするのはメタ視点のトリックで、これはフェアではないと思います。
あえて、タクシーに乗せたのは、行方不明の子じゃなくて、その代役の子(犯人)だ、と主人公に明言させていることと合わせて、ここのミスリードはちょっとズルイ気がします。
(追記;主人公は動物の種類で人間を見分けているのだとしたら、黒猫ー黒猫の入れ替わりなのに、なぜ、殺した方の黒猫を乗せた、と明言できたのかがやっぱりわかりませんでした)
最後のところは、主人公が動物で人を判断する能力を失ってなお、あの子が昔乗せた少女だ、と気が付いているかですよね。あの黒猫の子が本当の殺人犯だと主人公は気が付いています。
ルームミラーで確認した時点であの子が黒猫の子だと気が付いていれば、主人公は逃げられるという事ですよね。
または黒猫-黒猫では気が付かなかったけど、人間になったからこそ気がつけるということでしょうか。
あのヒロインとうのか白川さん、でしたっけ?いいですよね。小説ならヤクザの情婦でしょう。本作も詳しくは語られませんが、そういうことなんでしょうね。ストックホルム症候群とか言ってますが全然使い方が違います。これはアニメだからですよね。金と身体で縛られながら駄目男から離れられない駄目女の典型です。ここはハードボイルドをするなら避けないほうが良かったかも。大人の作品を意識するなら描写があっても良かったのでは?
{/netabare}