薄雪草 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
怏々(おうおう)としています。
なぜ、戦うのか。
なぜ、戦わせるのか。
なぜ、戦わさせられるのか。
3つのアンサーは少しずつ違う。
そして、それぞれのバックボーンもたぶん違う。
兵士にだって脳ミソがあるのだから、インプット(受け止め方)はいろいろです。
でも、軍隊の意義は、あらゆる手を使ってでも勝つことがアウトプットでしょう。
勝たなければ、国家の体制は崩されるのだから。
前線では、兵士は死ぬのですから。
だったら、
だったら、戦わなければいいのに。
なんのために、人間だけに "言語" が与えられたのか。
なんのために、頭脳が "天上" に一番近くにあるのか。
まるで分っていない。
分かろうともしていない。
~ ~ ~ ~ ~
なぜ、生きるのか。
なぜ、生まれてきたのか。
なぜ、生きねばならないのか。
3つのバリューはとても似ている。
そして、それぞれのプライドもきっと同じ。
兵士だって人権があるのだから、セレクションの機会はあったはずでしょう。
でも、軍人の使命は、政治闘争の手足となり、先鋭と尻ぬぐいを果たすことです。
国が生き伸びるためなら、犠牲は必要でしょうか。
使い捨てでも、兵士ならいいのでしょうか。
それなら、
それなら、戦わなければいいのに。
なんのために、人間だけに "笑顔" が与えられたのか。
なんのために、 "歴史" を記憶に刻んでいるのか。
まるで学ぼうとしない。
理解しあおうともしていない。
~ ~ ~ ~ ~
86 ‐エイティシックス‐
苦々しい記憶が1986年にあります。
とうてい受け止められない、壮絶で凄惨な "差別の事件" です。
「このままじゃ生きジゴクになっちゃう」と遺書にありました。
重なる意図を、本作に感じています。
どんな評価を標せばいいのか。
まだ、心を曇らせています。
どんな社会なら信じられるのか。
また、胸が叫んでいます。